尺祝い

 昭和二十年代だったと思うが、「尺祝い」という言葉が新聞紙上で散見された時期がある。当時は農家の全盛時代で、お金が貯まった農家も多かったようだ。その札束を積み上げて、その厚さが1尺(約30センチ)になるとお祝いをしたというのである。当時の貨幣価値だから、多分10円札だったのだと思う。それにしても、農家の収入がそんなに多かったということは、今となっては信じられない気持もあり、ひょっとしたら私の記憶違いで、当時全盛を誇った「紡績や織布関係の工業を営んでいる人」の話だったのかも知れない。
 なぜこんな話を持ち出したのかと言えば、私も「尺祝い」をしようかというところからである。もちろん、そんなにお金が貯まったわけではない。このブログへのアクセス件数が、一昨夜に1万件を超えたからである。相場感がないので、どう評価して良いのかは判らないが、昨年秋からカウントをはじめたアクセス件数が1万件を超えたということは、予想外のことだった。ブログを作った以上、正直に言って、多くの方に見て頂きたいという気持があったことは事実なので、その件数が多いということは嬉しいことには相違ない。これまでアクセスして下さった方々に、厚く御礼申し上げたい。
 そうは言いつつも、私にとって信じがたい数字であるだけに、多少の疑問も残る。以前にも書いたことがあるのだが、ブログに自動的にリンクするようなシステムもあるのではないか。言い換えれば、どなたも御覧になっていなくても、ブログを更新すれば、自動的に何件かのアクセスがカウントされるという仕組みになっているのではないかという類の疑問である。しかし、それにしても1万件という数字は、私の予想を遥かに超えたものであることに変わりはなく、ひとまず、余計なことを考えずに単純に喜んでおこうと思う。
 このブログを御覧になった方々に、重ねて御礼申し上げるとともに、今後ともたまには、「至って芸のないこの雑食ブログ」を覗いて下さることをお願いしたい。