2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠100首選歌集(その74)

選歌集・その74 033:冠(204〜229) (近藤かすみ)太郎冠者がけさも自転車漕いでゆく烏丸通をまつすぐ北へ (今泉洋子) すこしだけ御冠なる君がため今宵はカレーを旨く作らう (内田かおり) 頭上には見えぬ冠光らせて颯爽と行く薔薇色の頬 (勺 …

題詠100首選歌集(その73)

選歌集・その73 002:一日(327〜351) (内田かおり) たっぷりと朝が満たされ一日を駈けだしているスニーカーの白 (佐山みはる)やうやくに一日果つる心地してボトルの水をひといきに干す (vanishe)血のごとき青ひろげたる夏空に抱かれてをり海邊…

題詠100首選歌集(その72)

随分涼しくなった。昨夜から、思い出したように床暖房を入れている。冷房していたのがつい先日のような気がするのに、季節の移り変りの早さにあらためて驚いているところだ。<ご存じない方のために、時折書いている注釈> 五十嵐きよみさんという歌人の方が…

NHK/BS短歌(御報告兼PR)

今日のNHK/BS短歌で入選したので、PRを兼ねて御報告する。 お題3つのうち、「飲む」、「紙」の2題は先日公表され、今日新たに「銀」という題が発表された。いくつかの作品を送ったのだが、入選したのは「銀」である。 私の作品は、 ――日を受けし黄…

題詠100首選歌集(その71)

選歌集・その71 031:てっぺん(203〜227) (小林ちい) 別れ際そっと頭のてっぺんにキスしてくれる優しい他人 (佐山みはる)てつぺんにポンポンついた帽子ふたつ木枯らしの窓をすぎて行きたり 039:広(179〜203) (しおり)無防備に眠る貴…

題詠100首選歌集(その70)

選歌集・その70 005:調(315〜340) (春畑 茜) はつ秋のこころは指を伸べながら香味料調味料を選べり (小林ちい)頑張れば明日も土曜も会えるけどもうスケジュールは調整しない (今泉洋子) 締め切りに追はれることの多すぎてかなかな哀し蜩の調…

題詠100首選歌集(その69)

選歌集・その69 008:飾(280〜304) (みなと)窓ぎわに飾るものとて数えれば花/金魚鉢/ありふれた日々 (今泉洋子)まるめたる餅飾り終へ真ん丸き心となりて新年迎ふ (佐山みはる)「ドーイドーイ」の掛け声に曳かれゆく船のみおしに花の飾られ…

題詠100首選歌集(その68)

すっかり涼しくなった。素足だと冷たく感じるほどだ。秋の旅に出かけてみたくなった。 選歌集・その68 001:笑(352〜376) (ちょろ玉)「忘れ物したから今日も来れちゃった えへへ」と笑う君がいる部屋 (春畑 茜) 立秋の朝にふる雨この日ごろ笑…

期待と不安(スペース・マガジン10月号)

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。 [愚想管見] 期待と不安 西中眞二郎 鳩山内閣がいよいよスタートした。ベストの布陣かどうかは別として、まずまず期待できそうな顔触れではある。久々の本格的政権交…

題詠100首選歌集(その67)

最終題もやっと3巡目に達した。これからどこまで伸びるのか楽しみだ。例年、完走者だけを対象に百人一首を作っているので、完走者が100人をある程度超えないと予定が狂うのだが、この分だとまず問題ないだろうと思う。 選歌集・その67 021:くちばし(…

題詠100首選歌集(その66)

選歌集・その66 007:ランチ(287〜311) (稚春)「ブランチ」と呼んで朝寝を正当化している内に婚期を逃す (今泉洋子) 合宿に子を送り出し母親のスイッチ切りてランチ予約す (小林ちい) ごめんねが言えないランチタイムにはチキンライスに白旗…

題詠100首選歌集(その65)

10月に入った。題詠100首もあと2ヶ月だ。これからどの程度の作品が集まるのか、ここ数年より締切りが1月延びたので予測できないが、佳作がたくさん集まるのを楽しみにしている。 秋も次第に本格化して来た。長袖のスポーツシャツに着替えてちょうど良…