2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠100首選歌集(その35)

選歌集・その35002:暇(255〜279) (時坂青以) せんべいの はしていねいに かじりおり 暇とはこうも 時がのびるか (水煙)何も無く空気の如くすぎてゆく暇の重みを知る寝入りばな (田中彼方)プチプチをひとロール買う。寂しさをかくして、暇を…

題詠100首選歌集(その34)

選歌集・その34 006:サイン(228〜252) (きり) 今はもうサインコサインタンジェント呪文のようなものになりけり (やすまる) 縫い上げたばかりの島の白浜に速く小さくサインをしるす (moco)七色のサインペンでは描けない空いっぱいの七色の虹 …

消費税増税 並行して改革必要(朝日新聞「声」)

今日(6月22日)の朝日新聞東京本社版の「声」に私の投稿が掲載されたので転載する。 私の投稿の掲載は10回を上回るし、今年になってからも3月6日に一度掲載されている。また、内容についても、それほど新味のあるものでもないので、多分無理だろうと…

題詠100首選歌集(その33)

<ご存じない方のために、時折書いている注釈> 五十嵐きよみさんという歌人の方が主催しておられるネット短歌の催し(100の題が示され、その順を追ってトラックバックで投稿して行くシステム)に私も参加して6年目になる。まず私の投稿を終えた後、例年…

題詠100首選歌集(その32)

選歌集・その32 001:春(266〜290) (あんこく) ショッキングピンクの春に抱かれて庭のたらの芽採りにいこうか (向坂郁美) まつ毛ふせ気づかぬふりでやり過ごす近づいてくる春の気配を (flower_of_the_briar)いつからか都会の春はマスクしてア…

羊が一匹・・・(スペース・マガジン6月号)

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。 [愚想管見] 羊が一匹・・・ 西中眞二郎 寝床に入ってもなかなか寝つけないという経験は、どなたにもあることだと思う。漫然と眼をつぶっていると、さまざまなことを…

題詠100首選歌集(その31)

選歌集・その31 003:公園(228〜252) (成瀬悠太)大げさな未来を想い公園のベンチで飲んだコーンポタージュ (さかいたつろう) 僕たちのこどもではない子が走る公園だから許される嘘 (ふみ吉)街灯の切り取る淵でこっそりと夢掘り返す夜の公園 …

題詠100首選歌集(その30)

選歌集・その30 011:青(163〜187) (ezmi)裏庭に何を埋めたかひそやかに染まる指先露草の青 (羽根弥生) 翡翠を留めて撓むる枝下に燦(さざ)めく青の無限音階 (湯山昌樹)青さにて勝るものなし 牧水の愛(め)でし沼津の海静かなり (ちょろ…