2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠100首選歌集(その52)

選歌集・その52014:煮(228〜252) (短歌サミット2009.はづき生) 真っ暗な部屋に帰ってくるたびに煮物の音の幻聴がする (椎名時慈) たっぷりと食べて話した鍋の底触れたくなかった話題煮詰まる (丸山程)いつもより煮物の味が濃いけれど何…

題詠100首選歌集(その51)

選歌集・その51 008:飾(254〜279) (勺 禰子) かたくなな心を飾るものもない立ちたるままの血を抱きしめて (天鈿女聖)着飾って行ける大人になりたくてダッフルコートを羽織りたい夏 (桑原憂太郎) 面談室で我と向かひし女生徒が急ごしらえの言…

題詠100首選歌集(その50)

西日本は大雨の被害が随分出たようだ。被害者の方にお見舞い申し上げたい。私の郷里(山口県大島郡)も随分降ったようで、格別のことがなければ良いがと案じている。 今日はプロ野球オールスター戦の第2戦、広島は雨との予報なので、試合ができるのかどうか…

高速道路料金無料化への疑問(朝日新聞「声」)

昨日の朝日新聞東京本社版の「声」に掲載された投稿を転載する。 掲載されたものは表現やタイトルが少々変わっているが(もちろん合意の上で)、ここでは投稿した原文のまま載せることにした。別の新聞記事によれば、自民党は民主党に対する攻撃材料として高…

題詠100首選歌集(その49)

選歌集・その49012:達(236〜261) (こおなまぬがな) 梅雨入りにあわせて雨は降って来ず友達という区切りはつける (長月ミカ) ひとりきりされど心はあたたかで郵便配達待つ夜の部屋 (つばめ)大願として「合格」の字を書けば赤き達磨が白眼視する…

題詠100首選歌集(その48)

選歌集・その48 022:職(176〜200) (ぱぴこ)植物が育つ職場の窓際を羽虫のように這うタイプ音 (つばめ)そのうちに良くなる未来を信じつつ職業安定所に桜咲く (本田鈴雨) 職業の欄に<専業主婦>あれば釈然とせぬまま○つけつ 027:既(155〜…

少子化・高齢化・晩婚化(スペース・マガジン7月号)

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。 [愚想管見] 少子化・高齢化・晩婚化 西中眞二郎 我が国にとって最大の構造的問題である少子高齢化について、国勢調査のデータを眺めてみよう。平成17年の我が国人口…

題詠100首選歌集(その47)

選歌集・その47 001:笑(327〜351) (エフ) 笑うよに風含む道 梅逝けば今だけ木瓜とわかる木が咲く (川鉄ネオン) 愛想笑い浮かべる俺の足元で影が黙ってふてくされている (絢森)微笑みのような果実を握りしめ君は真冬の庭に佇む 003:助 (28…

題詠100首選歌集(その46)

<ご存じない方のために、時折書いている注釈> 五十嵐きよみさんという歌人の方が主催しておられるネット短歌の催し(100の題が示され、その順を追ってトラックバックで投稿して行くシステム)に私も参加して5年目になる。まず私の投稿を終えた後、例年…