2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠100首選歌集(その29)

選歌集・その29006:困(180〜204) (野坂らいち) 夕焼けが照らせしきみの目のなかに困惑という名の灯がともる 007:耕(180〜204) (斎藤漁火)地平線から教室のここまでを耕す人のほかは空だけ (松島)耕した土の匂いに少しだけ早く目覚め…

題詠100首選歌集(その28)

選歌集・その28 016:絹(126〜150) (佐田やよい)ざわついた一日(ひとひ)を終えて絹ごしの豆腐の中に匙をうずめる (揚巻)馴れ合いを冷たく拒む紅絹裏(もみうら)の奥にあなたの熱帯がある (花夢) 薄絹が裂けてしまったようなあの初体験のこと…

題詠100首選歌集(その27)

選歌集・その27001:初(229〜254) (生田亜々子)夜という自由に深い息吐いて原初の空に今帰ろうか (羽根弥生) むくりむくり魚眼のごとく膨らみし春の中にて初潮を知りぬ (橘ちひろ) 雑貨屋の薔薇はやっぱり淡い色棘水含み初芽空を指す (芹澤す…

題詠100首選歌集(その26)

選歌集・その26 008:下手(155〜179) (佐田やよい) 口下手な鸚鵡になろう錆びついたジャングルジムを鳥籠にして (内田かおり) 向かい風に空を見上げて躓けば下手な歩みの言い訳いくつ 019:層(107〜131) (村木美月) 残されるものだけが…

大震災で考えたこと(スペース・マガジン5月号)

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。 [愚想管見] 大震災で考えたこと 西中眞二郎 思いもよらない大震災が起こった。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々に心からのお見舞い…

題詠100首選歌集(その25)

やっと第100番が25首に届いた。随分焦らされたような気がしたのだが、去年のブログを見たら、選歌が第100に届いたのは5月27日になっている。ということは、去年より20日早いペースということになるようだ。 選歌集・その25 020:幻(105〜…

題詠100首選歌集(その24)

ゴールデンウィークも後半に入った。毎日が日曜日の身にとっては連休の希少価値も小さいが、今年は例年にも増して、いまひとつ実感が湧かない。やはり大震災の後遺症なのだろうか・・・。 このところ新聞歌壇を読むと、ほとんどが大震災をテーマにしたものば…