2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠100首選歌集(その17)

今日も寒い一日。五分咲きの桜が何だか場違いに見える。 <ご存じない方のために、時折書いている注釈> 五十嵐きよみさんという歌人の方が主催しておられるネット短歌の催し(100の題が示され、その順を追ってトラックバックで投稿して行くシステム)に…

題詠100首選歌集(その16)

そろそろ4月だというのに、寒い日が続く。今日の午後の気温も、10℃を切っているようだ。 選歌集・その16 004:疑(169〜194) (佐藤紀子) 疑問符のやうに頭を巻き込みて五月のわらび首をもたげる (市川周)容疑者にアリバイのある春月夜(殺され…

題詠100首選歌集(その15)

選歌集・その15 002:暇(177〜201) (リンダ)隙と暇からだじゅうから発散し思春期のむれ自転車で行く (五十嵐きよみ)眠そうな雌雛のとなりに暇そうな雄雛が並んでいる昼下がり (黒崎聡美)春の陽に今日という日は横たわりいそぎんちゃくよおま…

題詠100首選歌集(その14)

選歌集・その14 001:春(187〜212) (百田きりん) 枝々が淡くけぶって いままででいちばん待ち遠しい春が来る (ケンイチ)潮騒は君の瞳に煌めいて胸が焦げつく浜の春風 (拓諳)黒髪に舞う薄紅を焼き付ける春をあなたの季節と決めて (さくら♪) …

題詠100首選歌集(その13)

選歌集・その13010:かけら(104〜128) (リンダ)淋しさのかけらを集め出来上がる人の形のわたくしがいる (高松紗都子) 無防備な未来を分かちあった日の君のかけらは手のなかにある (酒井景二朗) 滿月に呼びかけられて立ち止まるブリキ細工を…

やさしい機械(スペース・マガジン3月号)

今日は久々の上天気。午前中は風が冷たかったが、午後は気温もかなり上がりそうだ。例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。 [愚想管見] やさしい機械 西中眞二郎 預金通帳が一杯になったので、銀行の自動機…

題詠100首選歌集(その12)

このところ寒い日が続く。今日は午後15℃まで上がるという予報で出掛けたのだが、結局10℃以下の気温で終わってしまったようだ。すっかり騙されてしまった。 選歌集・その12 003:公園(149〜175) (一夜)公園でお砂場グッズ取り合って 泣いた吾…

[声]

津波警報(朝日新聞「声」)

去る3月6日の朝日新聞東京版の「声」に掲載されたものを転載する。これまでの例では、東京版以外には載らないのが普通のようだが、今回は8日の大阪版には掲載されたようだ。 「声」は、一度掲載された人は、半年くらいは載らないのが通例のようだ。あまり…

題詠100首選歌集(その11)

選歌集・その11 011:青(87〜112) (穂ノ木芽央) 果てのなきゼブラの道を追ひかける青信号は点滅のまま (橘 みちよ)群青のラピスラズリの玉に触る死者の額撫で別れし日のごと (すいこ) それぞれの瞳に棲む色は違うからただ詩を紡げ夕焼けの青 (…

題詠100首選歌集(その10)

先日愛用のパソコンが壊れてしまい、結局新しいものに買い換えた。幸い古いドキュメントは復活させることができたので、最悪の事態は避けることができたのだが、選歌はこの間お休みになってしまった。それに、新しいものにはまだ馴染んでいないので、何とな…

題詠100首投稿(091〜100)&完走報告

3月に入ったと思ったら、今日は寒い一日。日中はこの冬最高の寒さのような気がする。今年はもっとゆっくり走ろうと思っていたのだが、作品が揃ってみればついつい投稿したくなって、心ならずも(?)早々と完走してしまった。 091:旅 本郷の古き旅館に灯の…

題詠100首投稿(081〜090)

081:シェフ 外人のシェフらしき人黒エプロン着て看板の位置直しいぬ 082:弾 弾き終えし音の余韻を楽しむごとピアニスト暫し動かずにおり 083:孤独 高みよりパイプオルガン弾く人は神の孤独を味わいいるか 084:千 千歳飴提げし子が行く狭き道今日は降らず…