2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠100首選歌集(その23)

選歌集・その23019:押(104〜132) (さくら♪) 夜更けて痛みに震う声を聞くナースコールのボタンを押せり (村木美月)ただひとつ聞きたい言葉聞けぬままわたしはワタシと押し問答する (佐藤紀子) 押入れに閉じこもりたる五歳児がいつか寝息をた…

NHK /BSの「短歌日和」

今日のNHK/BSで、恒例の春秋2回の「短歌日和」という番組があった。出された3題(事前に2題、当日に1題)に投稿するというシステムなのだが、例によって半ば野次馬気分で7首投稿してみたところ、3首ばかり採って頂けた。もっとも、前回と違って…

題詠100首選歌集(その22)

選歌集・その22 004:疑(195〜219) (ひぐらしひなつ)一片の疑惑溶かしてまろやかの極みを垂れよクラムチャウダー (ふうせん) 疑問などどうでもよいときょうもまた偏西風は蛇行するのみ (小高まり)晴れたならあらゆる帽子をかけましょう 疑問…

題詠100首選歌集(その21)

また冬が来た。昨夜から今朝にかけて雪。朝起きたら、北向きの屋根などにうっすらと雪が積もっている。東京は41年ぶりの遅い雪タイ記録とか。41年前にはとっくに東京にいたわけだが、こんなに遅く雪が降った記憶は残っていない。記憶というのもいい加減…

題詠100首選歌集(その20)

選歌集・その20 007:決(168〜193) (蝉マル) カツカツと行くは女(おみな)の靴の音仇討ち決意したるごとくに (みち。) そう決めた理由は訊ねられぬままわたしはじんわりと石になる (David Lam)春雨といえど優しさ些かも薄着で逢うと決めてい…

題詠100首選歌集(その19)

このところ寒暖の差が激しい。昨日と今日の東京の最高気温は15度違うとか。明日はまた冷え込むらしい。三寒四温どころの話ではなく、単なるお天気というより、「地球」のことが気になって来る。 選歌集・その19 001.春(213〜237) (ひいらぎ)と…

家・屋・手・者(スペース・マガジン4月号)

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。 [愚想管見] 家・屋・手・者 西中眞二郎 「師」と「士」の使い分けについて、以前に書いたことがある。今回は、呼称のことをもう少し広げて書いてみたい。公式の呼称…

題詠100首選歌集(その18)

選歌集・その18 003:公園(176〜202) (しろうずいずみ) 公園のぶらんこ乗りが颯爽と春の彼方に消えていく夜 (揚巻)公園のベンチに溶けたジャイアントコーンがじっと夜を見ている (フワコ)公園のミモザの枝からふるふると見えない音符が飛び立って…