2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠100首選歌集(その20)

選歌集・その20 013:優(136〜161) (砺波 湊)夏帽子かぶせて去っていく指が宙に描いた優しいカーブ (鳴井有葉) やましさが優しさになる来客用カップに注ぐ高価な紅茶 026:基(80〜104) (村木美月) うっとりと基礎化粧品ならべおり魔女の…

題詠100首選歌集(その19)

選歌集・その19 010:蝶(149〜175) (五十嵐きよみ)話すたび笑いあうたび軽やかにほどかれてゆく蝶々結び (里坂季夜) めずらしい蝶だったねと羽だけをもいで飾ろう夜の裏側 (小早川忠義)羽ばたくは風に逆らふことなりて蝶の最期は羽の畳まる …

題詠100首選歌集(その18)

一昨日あたりには9題まで在庫が貯まっていたのだが、10題目が25首の手前で足踏みしていて、勝手に決めた規定数(在庫25首以上の題が10題)になかなか届かない。今日になって、やっと規定数に達したところだ。このところ荒れ模様の天気が続いたが、…

題詠100首選歌集(その17)

去年の選歌集を開いてみたら、「その17」は5月2日付けになっている。今年の方が、かなり投稿のペースが速いようだ。 選歌集・その17 001:おはよう(209〜233) (ドール) 「おはよう」とカフェオレ、トースト、目玉焼き いつもどおりの朝が来る…

題詠100首選歌集(その16)

在庫の数が25首に近い題は今日でかなり減ったので、選歌集も小休止になるのかと思う。 選歌集・その16 004:塩(176〜200) (Asuka)風邪ひきの 母思いやる子の粥を 少し濃くする 塩味の雫 (絢森)銀色の塩は冷たく作り出す卵料理はどれもが透ける …

題詠100首選歌集(その15)

2日間旅行して来たら、在庫が結構貯まっている。この分では、明日も選歌集が掲載できそうだ。もっとも、明日は予定がいろいろあるので、あるいは時間がとれないかも知れない。 選歌集・その15 002:次(195〜219) (里坂季夜)次は誰ぼくを作ったひ…

医師と弁護士(スペース・マガジン4月号)

例によって、スペース・マガジンからの転載である。同誌は、日立市で刊行されているタウン誌で、昨秋発刊30周年記念パーティーも開催され、私も出席して来た。もともと日立とは全く縁のない私なのだが、ある御縁で3年余り前からコラムを依頼され、毎月雑文…

題詠100首選歌集(その14)

風雨激しい1日。ちょっと近所まで出かけたら、桜はすっかり散っていた。 選歌集・その14012:ダイヤ(122〜149) (kei)お揃いのセーターゆるり編んでいくダイヤ模様はちょっぴりいびつ (池田潤)泣くのならきっと今でも不得意なダイヤで君の言葉…

題詠100首選歌集(その13)

古い仲間に誘われて、隅田川の花見に行って来た。もう時期はずれかとも思ったが、幸い数日前の花冷えのせいもあってか、かろうじて満開を少し過ぎた程度の花見を楽しむことができた。もっとも、少し歩き疲れてくたびれた。 選歌集・その13010:蝶(124〜…

題詠100首選歌集(その12)

選歌集・その12 004:塩(150〜175) (五十嵐きよみ)つい今日も彼女の好みに茹でていた玉子に塩をおもいきりふる (里木ゆたか)寂しくも涙出ぬ日の夕飯に塩気の足りぬ味噌汁を飲む (寺田ゆたか) 減塩の食事になれて久しかり涙の味も薄きこの頃 005…