2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠100首選歌集(その9)

選歌集・その9 002:幸(135〜159) (不動哲平)薄幸の女がよいと赤貝の缶詰つまみつつ夜はふける (水野) 甘くない炭酸水を飲みながら少し不幸な顔をしてみた 003:細(122〜149) (水風抱月)夕暮れて泥むあたりに幼子の迷犬(まよいぬ)捜し…

平成22年国勢調査

平成22年国勢調査 今日から暫くの間は、私にとって、5年に1度の書き入れどきだ。というのは、5年に1度の国勢調査の速報値(昨年10月1日現在)が今日公表されたからだ。 国勢調査結果の整理や分析は、私にとっての最大の道楽で、これまでにも2冊の…

題詠100首選歌集(その8)

選歌集・その8 004:まさか(107〜131) (久哲)中長期予報によれば人により「まさかあいつが」山沿いで降る (砺波湊)まさか寝過ごしたんじゃないかと焦るほどなんだよ今朝の空の青さは 007:耕(79〜104) (氷吹郎女)ひっそりと花々ひらく休…

題詠100首選歌集(その7)

<ご存じない方のために、時折書いている注釈> 五十嵐きよみさんという歌人の方が主催しておられるネット短歌の催し(100の題が示され、その順を追ってトラックバックで投稿して行くシステム)に私も参加して7年目になる。まず私の投稿を終えた後、例年…

題詠100首選歌集(その6)

選歌集・その6 002:幸(110〜134) (ちょろ玉) 「幸せになろう」はお別れの言葉 雪降る駅で「おう」と答えた (船坂圭之介) 先駆けてゆく雲のした黄昏を恋ふ身しみじみ老ゆる幸せ (伊倉ほたる) 正確に折りたたまれた幸せを挟んだ場所が思い出せ…

題詠100首投稿(051〜060)

題詠100首投稿(051〜060) 051:漕 ボート漕ぐ手に花びらの散りたれば古き記憶がつと浮かび来ぬ 052:芯 たっぷりと寝たはずなるにこの朝も頭の芯に眠気の残る 053:なう 踊り手の真白き腕のしなうとき微かな笑みが浮かぶを見たり 054:丼 縁日で買い…

題詠100首選歌集(その5)

選歌集・その5 003:細(97〜121) (雑食) 薬瓶みつめてやがて細くなるきみの鼓動をただ聴いている (ちょろ玉) 黒板を君はメガネをかけて見る 僕は細めた目で君を見る (船坂圭之介) 月細く欠く冬の夜の穏しきに浮かび来るかの白きゐさらひ (Yosh)…

大相撲の八百長(朝日新聞「私の視点」)

今日の朝日新聞朝刊の「私の視点」に、私の投稿が掲載されたので転載する。 大相撲の八百長 存廃問うのは行き過ぎ? 元国家公務員 西中眞二郎 子どものころから相撲好きで、ここ40年ばかり各場所の星取表を整理し、力士別の成績の推移をまとめるなどしてい…

題詠100首選歌集(その4)

選歌集・その4 001:初(100〜125) (渡辺タテタ) 初めてのブーツを買った温もりで雪に裂かれた倒木を踏む (酒井景二朗)初霜を踏みまよひつつふくらめる雀の嘴に冬は來にけり (花夢)白鳥のような姿勢で謝れば今年になって初めての雪 (穂ノ木芽…

題詠100首投稿(041〜050)

題詠100首投稿(041〜050) 041:さっぱり 「このところさっぱりわやや」と大声でケータイの男通り過ぎたり 042:至 冬至近き日のはや落ちし公園に子ら遊びおり高き声して 043:寿 友既に喜寿なるという年賀状読みつつ午後の餅食いており 044:護 手術…

題詠100首投稿(031〜040)

題詠100首投稿(031〜040) 031:電 軒先に裸電球連なりて「昭和の街」が光る夕暮 032:町 色褪せた古き映画のポスターが古びた町のガードを覆う 033:奇跡 確率論だけで言うなら我が生れしことこそ最大の奇跡にあらむ 034:掃 作業場の落ち葉掃きいる…

題詠100首選歌集(その3)

選歌集・その3 004:まさか(57〜81) (五十嵐きよみ)ポケットの右には「まさか」左には「やはり」が同じ重さでひそむ (原田 町)わたしよりまさか年上ほんのりと桜色した頬を見つめる (螢子)まさかって今でも思う春の日のメールの中の別れの軽さ (湯…

題詠100首投稿(021〜030)

とりあえず記録した短歌があると、あまり気に入ったものでなくても、ついついそれに妥協して投稿してしまう。ゆっくり走ろうと思いながら、第30まで来てしまった。今日は東京も雪。もっともみぞれに近い雪で、積もりそうな気配はない。 題詠100首投稿(…

題詠100首選歌集(その2)

朝起きたら、珍しくかすかな雪が降っていた。今年になって初めてのお湿りだ。雪国の人への申し訳なさが、ほんのちょっぴり減ったような気もしていたのだが、昼前からまた日が射して来た。 (今回から、在庫25首以上の題を10題というルールに戻って、選歌…