2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠100首選歌集(その45)

選歌集・その45 004:ひだまり(279〜303) (佐藤羽美)たっぷりの白いひだまり沁み込んで汚れはじめる五月の木蓮 (椎名時慈) 世話好きな飼い主よりもひだまりに行きたい猫を抱けない寒さ (下地杏) あの冬に凍えて泣いた日野駅のベンチが今日は…

題詠100首選歌集(その44)

選歌集・その44 010:街(237〜261) (泉)この街にゐるはずの人想ひけり首夏の日差しの地下道出口 (草野つゆ)市街地に出るのがちょっとおっくうな場所に住んでるわたしが好きだ (けぇぴん) 遠景に犬一匹と人ひとり置きて暮れゆく街の片隅 (ム…

題詠100首選歌集(その43)

選歌集・その43 014:煮(203〜227) (本田鈴雨)黄身ゆるく茹でられ剥かれふるふるとあはれ玉子の煮られむ刹那 (佐藤羽美) 菜の花を活けたりおでんを煮てみたり日没前の淡いぬかるみ 015:型(205〜229) (ちりピ)なみだ型ドロップ舌でこ…

題詠100首選歌集(その42)

選歌集・その42009:ふわふわ(229〜253) (羽うさぎ) ふわふわのケーキが焼けた程度には笑顔になれるメールが届く (ちりピ)まだ夢のなかで私は暮らしてます わたげがふわふわとんで春です (冬鳥)雲ゆけば日々も過ぐもの ふわふわとわたしをゆ…

無罪判決(スペース・マガジン6月号)

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。 [愚想管見] 無罪判決 西中眞二郎 先般の最高裁判所の判決で、痴漢事件の被告人に無罪判決が出た。一昨年だったか話題になった「それでもボクはやってない」という映…

題詠100首選歌集(その41)

選歌集・その41 005:調(265〜289) (Insight) 夏の日に少女の怒りは輝いて叫びの中で調律をする (本田鈴雨) 変調は高みにむかひギター弾く夫の少年期のこゑおもふ (吹雪)雑誌読むきみがこぼしたハミングの調べをひろう日曜の午後. 012:達(2…

題詠100首選歌集(その40)

選歌集・その40 002:一日(277〜301) (櫻井ひなた)一日中パジャマの『あたし』で過ごすのでスーツの『わたし』はお休みします (駿河さく)夏なんか来なくていいの約束を忘れる準備してる一日 (丸山程) 一年に一日くらい花束を抱えて帰る日があ…

題詠100首選歌集(その39)

選歌集・その39 007:ランチ(236〜260) (yuko) ひとり居てベンチシートに広げたる花柄悲しランチョンマット (冬鳥)「…雨ですね」 みずのにおいはゆっくりと袖からみちるビジネスランチ (羽うさぎ) ランチにはまだ早いからぎこちないふたりの言…

未婚者の多い町

前にも書いたように、昔からの国勢調査マニアである。今日は、最近調べたデータのごく一部をつまみ食いして御披露したい。 一昨年の6月1日に、晩婚化のことを書いた。ポイントだけを言えば、平成17年の国勢調査によれば、25歳〜29歳の未婚率が男性7…

題詠100首選歌集(その38)

<ご存じない方のために、時折書いている注釈> 五十嵐きよみさんという歌人の方が主催しておられるネット短歌の催し(100の題が示され、その順を追ってトラックバックで投稿して行くシステム)に私も参加して5年目になる。まず私の投稿を終えた後、例年…