2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠2012選歌集(その27)

選歌集・その27 004:果(167〜191) (ezmi)無花果を裂いては指を濡らしつつ彼を育てた庭をみている (今泉洋子)誰も見ぬ御衣黄桜のまみどりが若葉に溶けていつしか果てぬ (長月ミカ)君がゐる海は果てなく蒼からむ我が前にある樹海の如く (西巻…

生じる可能性も考慮すべきだ(原発再稼働)

先日の朝日新聞の「声」に掲載された記事に異論があったので同紙に投稿したのだが、現在のところどうも載りそうにないので、このブログに譲ることにしたい。 「生じる可能性も考慮すべきだ」 大飯原発の再稼働に関し、「ブラックアウト(大停電)より原発事…

題詠2012選歌集(その26)

選歌集・その26 009:程(134〜158) (浅見塔子)程々にすると言いつつ消えていく梅酒を君の喉に見ている (今泉洋子) 新芽から葉へうつりゆく季(とき)の程指に確かめ畑に芹摘む 010:カード(131〜156) (ぱぴこ)かつて住み暮らした町の…

題詠2012選歌集(その25)

選歌集・その25017:従(102〜126) (三沢左右)CDの回転数に従って乱反射する別れの涙 (佐藤紀子)従者とし我に仕へるパソコンが時に主のごとくふるまふ 034:聞(53〜77) (真桜)君の声にだけ聞き耳立てている昼の学食喧騒の中 (五十嵐き…

無責任な首長たち(スペース・マガジン6月号)         

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。 [愚想管見] 無責任な首長たち 西中眞二郎 石原東京都知事が、東京都による尖閣列島の購入構想を打ち出した。政府の弱腰を批判して、「政府に吠え面をかかせる」のだ…

題詠2012選歌集(その24)

選歌集・その24007:驚(137〜161) (ひろ子)驚(おどろき)といふ字を睨めば睨むほど何も詠めずに十日も過ぐる 008:深(132〜157) (小林みに子)まだ間に合うまだ間に合うと言いながら深みに嵌まる春は夕暮れ (今泉洋子)深刻に先のこと…