2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠100首選歌集(その23)

選歌集・その23 005:姿(163〜187) (佐田やよい)地下鉄の窓に四月の違和感が私のような姿で映る (おおみはじめ) 葱坊主揺れる姿を見せるため猫を散歩に連れてゆきたい 007:耕(155〜179) (壬生キヨム) 耕された土のにおいがする男 平…

題詠100首選歌集(その22)

選歌集・その22 011:ゲーム(128〜152) (逢)リセットを押してあなたを忘れたい ゲームみたいに生きられるなら (新野みどり)昔から椅子取りゲームに勝てなくて夜は静かにペディキュアを塗る (佐田やよい)紫のハンカチを振るマスゲーム夕暮れの…

題詠100首選歌集(その21)

選歌集・その21 001:初(202〜228) (牧童)名も知らぬ花と初めて出会う朝瓦礫と化した国揺れやまず (今泉洋子) パソコンに貫之のうた探しつつ去年の初瀬の梅を恋ほしむ (陸王) 初期化プログラムは彼の手の中でリセットしてもわたしはわたし (…

題詠100首選歌集(その20)

選歌集・その20 009:寒(135〜159) (伊倉ほたる)暗闇を歩けば梅が手招いて寒い夜には月が明るい (瀬波麻人) 寒桜散りゆくままにバスを待つ今日は誰とも話していない (こゆり)見上げればあなたによく似た花が散る まだ肌寒いパン屋への道 (内…

題詠100首投稿(番外)

明け方の風は烈しく窓鳴らし不吉なものの如く過ぎ行く 注: 例年「題詠100首」というネット短歌の会に参加しており、私の今年の投稿はもう終わったのだが、追加として東日本大震災をテーマにしたものの募集があったので、投稿したものである。この歌は地…

自民党の姿勢(スペース・マガジン4月号)

例によって、スペース・マガジンからの転載である。この原稿を送ったのは、大震災の起こる前の先月上旬だった。今になって読み直してみると、季節はずれのピンボケ作品のような気がしないでもない。同誌が刊行されているのは、震災の被害もかなりあった日立…

題詠100首選歌集(その19)

やはり投稿のペースが落ちているような気がして去年と比べてみたら、去年の「その19」は4月13日付けになっている。ということは、ペースが落ちているというのは、私の先入観のせいなのかも知れない。もっとも、「026」の「震」の投稿が途中で止まっ…

題詠100首選歌集(その18)

投稿のペースが多少上がって来たようだ。震災の痛みは痛みとして、生活の平常のペースが多少回復して来たのかとも思う。 選歌集・その18 008:下手(130〜154) (新井蜜)下手なこと言へばあなたが怒るから信号はまだ赤でも渡る (砂乃)少年は嘘を…

さまざまな岐路(大学クラス会雑誌より)

毎年1回の大学のクラス会(独遊会)が、今日東大の本郷キャンバスで開かれた。独遊会というのは、昭和31年に東大教養学部文科1類に入学し、L1・5Bという語学のクラスに属していた60名程度の会である。今年の場合、震災の後でどうするか幹事も悩ん…