2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠2012選歌集(その6)

選歌集・その6007:驚(61〜85) (円) ハイドンの忍ぶ足取り軽やかに「驚愕」第二楽章は鳴る (七十路ばばの独り言)日々の記事驚くことの多すぎて驚く感性錆びついてゆく 010:カード(55〜80) (円)期限切れのカードの束に刃を入れて過去の私をじゃきじ…

題詠2012投稿(091〜100)&完走報告

題詠2012投稿(091〜100) 091:締 久々にネクタイ締めて街に出る今宵の風は少しやわらか 092:童 童謡より軍歌を好みて歌いたる幼き日々のわれにもありき 093:条件 条件というほどではないが畳席はどうも苦手と返事書きおり 094:担 担当ですと挨拶…

題詠2012投稿(081〜090)

題詠2012投稿(081〜090) 081:秋 晩秋の日射しを受ける家ありて軒いっぱいに干柿吊るす 082:苔 苔寺で雨聞きしことありたるをテレビを見つつ思い出しおり 083:邪 天の邪鬼(あまのじゃく)が心の隅から顔出して禁煙無用と呟いて去る 084:西洋 古…

題詠2012投稿(071〜080)

題詠2012投稿(071〜080) 071:籠 常の如く一人書斎に籠もりおれど妻留守の日はやや落ち着かず 072:狭 トンネルを出でし谷間の空狭く飛行機雲が横切りており 073:庫 み仏は切れ長の目で笑みており庫裏(くり)吹き抜ける風の涼しく 074:無精 無精…

題詠2012投稿(061〜070)

題詠2012投稿(061〜070)061:企 企ては密なるを以て良しとして見抜かれているを承知で隠す 062:軸 軸足をいずこにせむか迷いつつ確信持てぬ論を説きおり 063:久しぶり 久しぶりに会いたる友の一団にいたく老けたる人もありたる 064:志 禁煙を志し…

題詠2012選歌集(その5)

<ご存じない方のために、時折書いている注釈> 五十嵐きよみさんという歌人の方が主催しておられるネット短歌の催し(100の題が示され、その順を追ってトラックバックで投稿して行くシステム)に私も参加して8年目になる。まず私の投稿を終えた後、例年…

題詠2012投稿(051〜060)

題詠2012投稿(051〜060) 051:囲 山間(やまあい)の小学校を囲む如く緑とともに村の広がる 052:世話 世話人になりたるからには例会にまじめに出るのほかにすべなし 053:渋 渋々と出し会なれど懐かしき顔も交えて酒の進みぬ 054:武 関ヶ原深き木…

題詠2012投稿(041〜050)

題詠2012投稿(041〜050) 041:喫 ようやくに喫煙場所に辿り着き上野公園の緑陰に坐す 042:稲 稲刈りの済みたるらしき田に立ちて野焼きする人に弱き雨降る 043:輝 月蝕のありしことなど知らぬげに月中天に輝きを増す 044:ドライ 我が乗りしタクシ…

題詠2012選歌集(その4)

選歌集・その4003:散(77〜103) (わたつみいさな)散らかったおもちゃのように待ちわびる春っていつからはじまりますか (田丸まひる)幾千の星を素肌に散らせても選ばれないと知る冬の夜 004:果(65〜91) (ましろ子)いつまでも果てない夢は…

題詠2012投稿(031〜040)

題詠2012投稿(031〜040)031:大人 ひさびさに会いたる孫らそれぞれに大人びたれば我れが照れおり 032:詰 若きころは詰めが甘いと思いおりし男も立派な幹部となりぬ 033:滝 音だけはすれど木立の遮りて滝の姿は見えぬまま行く 034:聞 金沢の娘の家…

題詠2012選歌集(その3)

選歌集・その3002:隣(59〜84) (原田 町)近隣に介護施設の増えゆけば下り坂なる人生も良し (蓮野 唯) 主たる貴方の隣立つために騎士道という言い訳をする 004:果(40〜64) (コバライチ*キコ)無花果を祖母がもぎたる秋の日の夕陽まぶしき…

題詠2012投稿(021〜030)

題詠2012投稿(021〜030)021:示 「文無し」との標示と見れば文京区無縁坂とて二行に書ける 022:突然 ネット開けば三十年前の記録ありて我が名突然現れ出でぬ 023:必 原発の必要性を説きしことが心の澱となるやも知れず 024:玩 孫たちも玩具と縁な…

題詠2012選歌集(その2)

選歌集・その2001:今(71〜96) (ちゃこ)いつもです。それでいいのです。バスは今朝も三分遅れで到着しました。 (五十嵐きよみ)行儀よく並んだ五十音表をばらばらにして今うたいだす (蓮野 唯)愛してと告げる勇気を今一度持てないままで寝たふり…

題詠2012投稿(011〜020)

題詠2012投稿(011〜020)011:揃 このところ仏事なければ兄弟の揃う機会も乏しくなりぬ 012:眉 ひさびさに映画で見たる夏目雅子眉ひそめれば阿修羅に似たる 013:逆 風吹けば狭き水路も波立ちて風に逆らう船足遅し 014:偉 あんまり偉くならなかった…