自民党議員は安倍さんの私兵か(朝日新聞「声」)

 今日の朝日新聞東京版の「声」に、私の投稿が掲載されたので転載する。投稿した原文と多少異なっている点もあるが、ここでは掲載されたものをそのまま記載する。


     自民党議員は安倍さんの私兵か

             無職 西中眞二郎(東京都 79)

 憲法改正を巡り、「総理」と「総裁」の立場を恣意的に使い分ける安倍晋三首相のやり方は目に余る。だが、それにも増して腑に落ちないのは、自民党の議員の対応だ。
 仮に自民党総裁としての発言と認めるにしても、伝統ある公党の自民党には、歴史の積み重ねがあるはずだ。それを無視し、党内の議論も経ずに思いつきとも思える軽さで総裁としての見解を示し、改憲議論の加速を党内に指示する安倍さんの姿勢を、どう考えるべきなのだろうか。
 内容の是非はともかく、少なくとも総裁の独断による提言に、反論や抵抗が党内で起きても不思議はないが、一部の議員が懸念を述べただけ。むしろ、総裁の指示に従い、改憲の動きを具体化する流れのように見受けられる。
 自民党は、いったいどうなってしまったのか。この改憲に限らず、党内の十分な議論もないまま、総裁の意向に追随し、あるいはそれを忖度して、安倍さんの私兵たる独裁政党と化しているのが現状のように思えてならない。
 心ある議員は、国民の信託を受けているという自覚を持って、それぞれの見識に基づいて、行動して欲しいものだ。

経団連と憲法

 以前にも同じようなことをこのブログに書いた記憶があるのだが、また新しい動きが出て来たようなので、以前との重複は気にせずに、雑文を書く次第だ。


         経団連憲法論議は必要か

 
 報道によれば、経団連憲法改正についての論議をはじめるという。なぜ経団連が今の時点で憲法に関する検討をする必要があるのか、私には理解できない。
 言うまでもなく、経団連は経済に関する有力な権威ある組織である。したがって、経済界の立場から、法制について必要な主張をすることは当然だろう。しかし、それは、あくまでも経済団体の立場から必要な事柄に限られるべきだと思う。経済団体は、国民をリードし世論形成に影響力を持つべき性格の団体ではない。検討の結果次第ではあるが、自己と直接の利害関係を持たず本来の守備範囲でもないことに口出しすることになれば、経済団体としての本来の使命を忘れたものとなり、かえってその権威を落とすことにもつながると思う。
 経団連の首脳は、いずれも有能な企業経営者ではあるのだろう。しかし、有能な経営者が、憲法、ひいては我が国の進路について優れた見識を持っているとは限らないし、世間一般の床屋政談と質的に異なるものだとも思えない。大きな力を持つ有力な団体だけに、その言動には節度を持って貰いたいし、少なくとも、いわゆる改憲勢力のお先棒をかつぐような安易な振舞いは是非避けて欲しいものだ。