国旗・国歌法制化についての都々逸(朝日新聞・声)

 昨日の続きである。と言っても、実はこれは平成11年に朝日新聞「声」に掲載されたものであり、順序はまるっきり逆であるが。
 当時私は、南関東自転車競技会という特別認可法人の会長の職にあり、この種の意見を公表することによって、周囲に迷惑を掛けてはいけないというためらいがあった。そのため、仁科嘉(にしな・か)という仮名で投稿したのだが、朝日新聞から照会があり、仮名がばれてしまった。「仮名は原則としてダメだ」というのが、同社の見解であり、よく理解できるところではある。理由を言った上で「それでもダメなら、ボツにして下さい」と申し上げたところ、先方も私の立場に理解を示され、「仮名」と明記した上で掲載されたものである。
このうち、×印を付けた最後の二つは、「スペースの関係で」ということで掲載されなかった。あるいは新聞社の営業政策上の配慮ではないかと、少々邪推しているところでもあるが。
 なお、「愛想の良いお代官」は、当時の小渕総理である。


都々逸に託し  団体役員 仁科 嘉(東京都 61歳=仮名)<平11・8・12>

 性急な国旗・国歌法の成立は、体制派を自認している私にも、どうも合点がいかない。以下は、ごり押しした議員諸公たちに進呈する都々逸の一部である。
・数の力で押しつけられちゃ 国旗国歌も御迷惑
・百年以上の付き合いなのに 法制化とは野暮なこと
・無理をしてでもやるべきことと 見分けができぬ無分別
・自然に流せば流れる水を なぜに慌てて掻き回す
・惚れろ惚れろと親父が言えば 好きなあの子も嫌になる
・やらなきゃならないことより先に やらずとも良いことをする
・やさしい顔して愛想が良くて 踏み絵踏ませるお代官
×政教分離は聞こえも良いが 原点忘れた党もある
×可哀そうだよ与党の人も 踏み絵踏まされ賛成票