不法滞在の合法化

一時休業のお知らせ

 都合により、明日以降、1週間から10日くらいの間、パソコンから離れますので、この間はブログの追加などは中止致します。以上お知らせまで。


一時休業前に、在庫整理を続けておこう。昨年か今年はじめだったと思うが、例によって朝日新聞の「声」に投稿して、ボツになったものである。

   不法滞在の合法化

 先日の記事によれば、政府は不法滞在外国人の半減を図るのだそうだ。「治安」の観点からすれば、理解できないわけではない。しかし、その根底にあるのが、できれば排除したい存在として外国人を見ているのではないかということが気になる。難民の扱いについても同様であり、国際的批判も受けていると聞く。
 いわゆる「犯罪者」を擁護する積りは全くないが、単に滞在期間を過ぎたというだけで犯罪者扱いをし、一律に国外退去を求めるのが、開かれた日本として適当なのかどうか。むしろ、一定の期間を限って、「不法滞在者」が所定の届け出をすれば、いわゆる「犯罪者」等を除いて、その滞在を合法化するといった措置は採れないものだろうか。
 「厳格主義」は、かえって「不法滞在者」を地下に潜らせることとなり、犯罪に走らせることともなり兼ねない。むしろ、原則合法化した上で必要な管理をすることが、犯罪の抑止にも寄与するのではないか。
 同時に、可能な限り、社会保障その他、彼らの生活基盤を作るための措置も進め、「共生」を図って行く必要があるだろう。入国管理をどこまで厳しくすれば良いのかという問題は、それほど単純な話ではないとは思うが、「厳格主義」は最も無難で安易な道ではあるものの、決して最善の道ではないと思う。
           
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字数の関係で、投稿した原稿はこれで終わりなのだが、ちょっと追加しておきたい。難民等に関する「厳格主義」の一つの根拠として、「現在でも10万人以上の不法在留者が居るのだから、これ以上増やすわけには行かない」という主張をする人がいるようだが、これはおかしい。「現在でも10万人以上の不法在留者が居る」のなら、あと少しくらい増えても大差はない話である。特にいわゆる「難民」の場合、人道主義的側面もさることながら、きちんとした保証人などがある場合が多いようであり、「地下に潜る不法滞在外国人」になる可能性は薄いと思う。外国人も日本人も、善人もいれば悪人もいる血の通った人間である。もう少し大きな気持で、バランス感覚を持った対応をすることが、国際的に開かれたわが国として採るべき道だと思う。