違憲判決批判・首相のおごり(朝日新聞・声)

 すっかり秋めいて来たと思っていたら、昨日は30度を超える暑さで、夏に逆戻りした。このところ種切れになったせいもあって、しばらくブログにご無沙汰していたが、今日の朝日新聞東京本社版朝刊の「声」に、投稿が掲載されたので転載する。原文と比較すると、タイトルは編集者が付けたものであり、前段の説明に関する部分はかなり加筆され、後段の意見に関する部分はかなり縮められている。原文より掲載された文の方が判りやすいような気もするので、ここでは掲載された文のままで転載する。なお、最近の「声」の編集に当っては、投稿者への丁寧な照会があり、文章の修正等も投稿者の合意の上で行われていることを付記しておく。もっとも、「うるさい男だ」と思われたくもないので、細かいところでは編集者の意見を鵜呑みにしているところもあるが。

  
違憲判決批判 首相のおごり  無職  西中眞二郎(東京都練馬区 67歳)
                                
  小泉首相靖国神社参拝を巡り、相異なる二つの判決が出た。9月29日の東京高裁判決は参拝を私的と認め、憲法判断を避けた。翌30日の大阪高裁判決は首相の職務として行われたと認め、違憲の判断を示した。私は大阪高裁の判決が妥当だと思うが、賛否両論あることは十分理解できる。
  これに対し、首相は直後の国会答弁で靖国参拝について持論を展開し、「これが憲法違反というのはどういうことか」と強い不快感を示した(10月1日朝刊)。細田官房長官は「(東京高裁の)昨日の判決は良かったが、(大阪高裁の)今日の判決は大変遺憾だ」と述べた(9月30日夕刊)。
  「納得できない」程度のコメントなら分かる。だが、行政府の責任者である首相や官房長官のあからさまな判決批判は、憲法に基づく三権分立の理念に反し、許されないはずだ。
  勘ぐれば、行政府のトップという立場を利用して、今後も起こり得る同種の裁判に圧力をかけているとも受け取れる。総選挙で圧勝したおごりが、ここにも表れているように思えてならない。