題詠マラソン・百人一首前夜祭

題詠マラソン百人一首前夜祭

 やっと終わりましたね。出走された皆様、長丁場を走り抜けお疲れさまでした。また、主催者の皆様、いろいろお世話になりありがとうございました。得難い機会を作って頂き、感謝致しております。予告編ばかり多かった「題詠マラソン百人一首」、ほぼ完成しましたので、明日にでも公開させて頂きたいと存じております。
 
 「公開」に先立ち、前もっていくつかのコメントをさせて頂きたいと存じます。現物の公開の際に書き添えても良いことなのですが、かなり長いものになりそうですし、それが「百人一首」の前に長々と続くのも無粋かとも思いましたので、本体と分けて、このような形で事前にお示ししておきたいと思った次第です。実は、この文章を実際にブログに載せるのは、本日11月3日なのですが、どうせのことなら「百人一首」の公開を11月3日の文化の日にしようと格好を付けて、前日の11月2日付けという形でこの「前夜祭」を掲載しようと思い立ちました。この文章の大半を書いたのはそれ以前なので、まんざら嘘というわけでもありません。

  まず、さまざまな方々にお詫びと弁解を申し上げなければなりません。
  第一に、参加者全員の方々と短歌の神様にお詫び申し上げます。私より優れた方々も多数おられる中で短歌に優劣を付けるという甚だ不遜な振舞いにつきましてのお詫びです。私の遊び心ということで、お許し頂きたいと存じます。
  第二に、選ばれなかった方にお詫び申し上げます。あくまでも私の「独断と偏見」による選歌ですから、ほかの方が選歌すれば、全く違う結果になったと思います。また、何分多くの作品からの選歌ですから、素晴らしい宝石を見落としている可能性もあろうかと思います。
  第三に、選ばれた方へのお詫びです。題と作者のマトリックスという関係で、参加者のベストの作品が選ばれず、御不満の方も多いと思います。この点は、選者たる私にも不満が残りますし、私自身の作品についても同様です。
  以上、お叱りを被る前に、予防線を張っておく次第です。これでも相当の労力の産物ではありますので、その労力と、繰り返しになりますが私の遊び心に免じてお許し頂きたいと存じます。

  出走された皆様、長丁場を走り抜けお疲れ様でした。また、主催者の皆様、いろいろお世話になりありがとうございました。来年もよろしくお願い申し上げます。

  以下、多少具体的なことを申し上げます。

<選定の方法>

  当然のことながら、客観的な基準があるわけではないので、専ら私の「独断と偏見」に基づく選歌である。なお、私の物差しの性質については、後で触れる。ほかの方がお作りになれば、全く違う百人一首になるだろう。もっとも、結構手間暇の掛かる作業だから、あまりお勧めもできないが。
  多数の歌を、時間を掛けてじっくりと鑑賞するのは時間が掛かり過ぎるので、まず、題や作者のことは全く考慮に入れずに、いわば瞬間的にかなり甘い基準で予選をし、予選通過作については、多少の時間を掛けて選定した。したがって、予選段階での名歌の見落としの可能性がないとは言えないし、繰り返しになるが、私のお遊びということでお気に召さない点はお許し頂きたい。
  なお、全36,728首+α(再投稿による重複も含む。)のうち、予選通過作は、結果として3,136首(完走されていない方の作品を含む。)になった。
  最終選歌の方法について、やや具体的に申し上げれば以下の通りである。
① 100題完走の方の作品のみを対象とした。この点は少々迷いもあったが、やはり完走された方のみを対象とする方が「題詠マラソン」の趣旨に合っているだろうと判断したものである。
② 各題から1首ずつ選んだ。
③ 百人一首の趣旨にかんがみ、100人の作者を選んだ。
④ その具体的方法は、6月17日のブログに記載しており、大体その趣旨に沿って選定した。なお、その際には、『予選通過作が10首以上あった方については、最初の段階の選定で漏れた場合にも、「作者としての力量がある」と判断して「敗者復活戦」に出場して頂き、原則としてそれ以外の方の作品と比較の上で選定する』との方針をお示ししたのだが、蓋を開けてみると10首以上の方が100人以上になったので、「10首」という基準を「15首」に切り替えた。
⑤ ②③④を両立させることには、結構苦労した。したがって、ある作者の最高の作が選定されず、その方の二番手、三番手(あくまでも私の勝手な物差しだが)の作が選定されている場合もあるし、逆に、ある題についても、最高の作が選定されず、その題の二番手、三番手の作が選定されている場合もある。なるべくそうならないように努力した積りではあるが、題と作者のマトリックスになっているというむずかしさに免じて、多少のことは御勘弁頂きたい。考えてみれば、もともと私の気紛れの産物であり、私の勝手な物差しによる選定なので、余り細かいことに拘泥するのは、かえってナンセンスなのかも知れないが。

<選者(=私)の選歌の傾向>

① 私の作品については、5月15日のブログに私の参加作を掲載しているので、御興味のおありの方は御覧頂きたい。私の年齢は68歳、中学生のころから短歌をやっているので、歌歴は50年を優に超える。「純粋無所属」であり、「唯我独尊」(謙虚な積りではあるが・・・)である。なお、歌集は、これまでに2回上梓した。(私と短歌とのかかわりについては、8月22日のブログに掲載している。)
② 私の歌の傾向は、自分では「平明愚直」ということかと思っている。強いてジャンルに分ければ、いわゆる「ネット短歌」よりは「歌壇短歌」に近い傾向にあり、どちらかと言えばクラシックの方かと思う。(「ネット短歌」や「歌壇短歌」という分類が適切かどうかは判らないが、ここでは漠然とした俗説に一応従っておく。)
③ 選歌に当たっての私の好みは、どうしても私の歌と同じような傾向のものに偏ることは否定できないと思う。ただ、全く違う傾向のものでも、当然のことながら、「良いな」と思うものはあり、自分に作れない性質のものだけに、かえって点数が甘くなっている場合もあるかも知れない。(私の好みについては、8月22日のブログ参照)

  現在の予定では、明日11月3日付けのブログに百人一首本体を掲載、その翌日かそこらに、苦労話を含めて、前夜祭ならぬ「後の祭」を載せたいと思っている。
  なお、これと関連するこれまでの私のブログの一覧を以下に記しておく。

私の短歌論 5月6日
題詠マラソン参加の弁と自作の御披露 5月15日
百人一首予告編 6月17日(やや詳しい選歌方法等)
短歌における仮名遣い・私説 7月25日
題詠マラソン百人一首・中間報告 8月10日
私と短歌(私の短歌歴と好みの短歌の傾向) 8月22日
秀歌選 多数回(過去ログ10ずつに区切って秀歌選を載せているが、これは予選通過作の 中で気に入った作品をその都度選んだもので、今回の百人一首の最終選歌と直接の関係は ない。)