平成17年国勢調査

 いよいよ大晦日になりました。珍しく少々掃除の手伝いなどをした後、書斎に入ってパソコンに向かったところです。先日も書きましたように、去る27日に平成17年国勢調査の速報値の公表がありましたので、その整理分析が最大の道楽である私としましては、それ以来忙しくしています。いわば、5年に一度の大祭とでも申せましょうか。
 ぼちぼち整理の結果のまとめに入っていますので、そのごく一部を御披露しておこうと思います。もっとも、まだ初期のまとめの段階ですから、新聞に出ていることに毛が生えた程度の内容ですが、多少の新味のあるものも含まれているだろうと思います。
 実は、書斎の整理をしようと思って二階に上がったのですが、整理の方は後回しで、ついついこの原稿に手を付けてしまいました。これから真剣に書斎の整理に掛かりたいと思います。

 
 それでは皆様、どうか良いお年をお迎え下さい。(12月31日午後2時48分)


 <平成17年国勢調査のサワリ>
 昨年十月一日現在の我が国の総人口は、1億2775万6815人、前回調査に比して、0.65%の微増である。前回の伸びが1.08%、その前が1.58%だったわけだから、今回の伸びがいかに低いかがお判りだろう。この数字は5年前との比較だが、もっと近い時点との比較をすれば、我が国人口は今年前半には既に減少に転じているというのが有力な推定であり、今回調査が、人口増加の最後のものということになるはずである。
 なお、この数字は、速報値なので、確定値になれば多少の変動はあるだろうが、前回の例によれば、確定値で6,555人増加したに過ぎず、まず有意な差はないと思って良いだろう。
 これを47都道府県単位で見ると、前回の国勢調査に比較して、32県の人口が減少している。人口全体がゼロ成長に近づいているのだから、当然と言えば当然の話だが、後で見る市町村単位の数字のみならず、県単位でも人口減少県が三分の二を超えたということは、深刻な問題をはらむ可能性を示している。
 個別にみると、伸びの第1位は東京都の4.2%増、神奈川県、沖縄県、愛知県がこれに次ぐ。東京都の伸びが全国1位になったということは特筆すべきことで、人口の一極集中傾向を顕著に示している。東京23区がいずれもプラスになったということも前回を上回る構造変化であり、単純に拍手を送ってばかりもいられない。
 市町村単位で見ると、伸びが20%を超えたのが、京都府精華町富山県舟橋村、埼玉県滑川町の3町村と、極めて少ない。もっとも、噴火による全島避難による人口ゼロから2000人台に復活した東京都三宅村の伸び率を無限大と見れば、同村がダントツの第1位となる。また、東京23区を区別に見ると、中央区の35.3%増が実質全国第1位となり、これまた特異な現象である。
 他方、全国2,217市町村のうち、人口が減少した市町村が72.4%に達しており、特に、北海道、東北、四国においては、人口減少市町村の比率が85%を超える。
 ひとことで言えば、首都圏一極集中が顕著に現れたのが今回調査の最大の特徴であり、今後の人口減少社会を考えたとき、首都圏をはじめとする大都市圏への人口集中と地方の衰退の加速をどのように考えるのか、今後の国土のあり方につき、真剣な検討の必要性が示されていると思う。