題詠百首・私の投稿(021〜040)

題詠百首第3便。どうも操作をはじめると、次々に進めてみたくなる。今日はこれにて終りにしよう。


021:競 行けど行けど石州瓦の家ばかり屋根光らせて妍競いおり
022:記号 記号めく絵文字も混じえしメール来て判らぬままに少し楽しき
023:誰 誰もみなザック背負いて街を行く旅番組の旅行者たちは
024:バランス バランス感乏しきままに闊歩する為政者たちに苛立ちており
025:化 当世風ギャルと見し娘(こ)が化粧して人形めきて舞台に立ちぬ
026:地図 地図見れば思い込みたる町の位置かなり違うもありておかしき
027:給 歳末の給料日とて銀行のATMの長き行列
028:カーテン 舞姫のポーズいずれも絵になりてカーテンコールの拍手の続く
029:国 ネットにて我が名を引けば若き日の国会答弁突如出で来ぬ
030:いたずら 眠られぬままいたずらに夜の更けて由なきことのみ思いておりぬ
031:雪 機の下に白く広がるこの雲は雪降る里を覆いておらむ
032:ニュース 我が未だ買わざるうちにデジカメは飽和状態とニュースは伝う
033:太陽 太陽の光をいっぱい吸い込んだ布団に触れし頬温かし
034:配 ティッシュベーパー欲しいときには駅前のティッシュ配りは姿を見せず
035:昭和 昭和終わる夜に友らと呑みしこと既にかすかな記憶となりぬ
036:湯 幼な子にあれど仕種のなまめきて父と来し子が湯船に遊ぶ
037:片思い ときめきは若き日のみのものにあらずされど虚ろな疑似片思い
038:穴 整然と穴開けられしビニールが畑を覆い小さき芽が吹く
039:理想 ものごとは理想的には行かぬものとしたり顔にて我れ話しおり
040:ボタン 当世風ギャルと見し子がエレベーターのボタンを押して吾を待ち呉るる