題詠百首・私の投稿(041〜050) 

 これにて折り返し点。もう少し投稿しようかとも思ったのだが、良く見たら私の前を走っているランナーはお一人だけになってしまった。少しペースを落とそうかと迷っているところだ。


041:障 歳末の母を手伝う障子貼り幼き日々の冬寒かりき
042:海 機にあれば冬雲白く広がりて雲海にまた雲の影あり
043:ためいき 我が横に坐りたる女(ひと)唐突にためいきつけり夜の地下鉄
044:寺 冬晴れの仲見世浅草浅草寺(せんそうじ)繭玉の列長く連なる
045:トマト 滑空しカラス見事に着地せりまだ色付かぬトマト畑に
046:階段 球場に子ら多くしてどの子らもみな階段を走りて上る
047:没 機にあればふるさとの島遠く見え没せんとして我が村のあり
048:毛糸 毛糸玉にじゃれいし猫も老いたれば泰然として歩み来るのみ
049:約 意に添わぬ会にてあれば先約があると欠席の返事書きおり
050:仮面 夕暮れのヴェネチアの店ほの暗く仮面は虚ろな目を開きいぬ