題詠百首・私の投稿(061〜070)

 引き続いて題詠百首投稿。選歌集を間に挟もうと思ったのだが、まだ在庫が貯まらないので、私の投稿を先行させた。


061:論 いかほどの見識持ちて語れるや経団連憲法論議
062:乾杯 栓抜きがないぞと叫び乾杯の音頭取る人うろたえており
063:浜  ひたひたと波寄せて来る砂浜に妻と坐しいて何も思わず
064:ピアノ たおやかにピアノのキーをまさぐりて音紡ぎ出す腕の白さよ
065:大阪 大阪の街には大阪の香りありて心斎橋筋妻と歩みぬ
066:切 五つある仕切りの中に一つだけ公衆電話残る駅頭
067:夕立 夕立の上がり一斉に蝉鳴けば幼き島の夏を思えり
068:杉 「お富さん」「別れの一本杉」と出て来れば男子も女子も手拍子を取る
069:卒業 卒業後五十年ぶりの友もいてややぎごちなく会のはじまる
070:神 神官も禰宜も日を浴びひと休みコンビニ前で茶を飲みている