安倍総理退陣

 安倍総理退陣のニュースには、心底驚いた。年齢ととともに、たいていのことには驚かなくなった積りだったのだが、今度という今度は、本当に驚いた。
 
 「洋上補給に政治生命を賭ける」という類の先日の安倍総理発言に関し、10日のブログに「意地悪く言えば、退任の潮時を逃した安倍さんが八方塞がりになり、あえて捨て身の勝負に出た、もっと意地悪く言えば、投げ場を求めたと言えそうな気がしないでもない」と書いたのだが、事態はそれより遥かに早く急展開を示したわけだ。
 お辞めになるのなら、参院選直後というのが一番常識的な時期だっただろう。その後新内閣を組閣し、洋上給油に意欲を示して対外的に大見得を切り、施政方針演説を行った直後の辞意表明は、何とも理解に苦しむ。特に、本当に「洋上補給」の継続が必要だとの考えに立てば、今一番大事なのは「時間」だろう。今後の展開は読みようがないが、少なくとも数日以上の政治的空白が生じることは間違いないだろうし、自分で自分の首を絞めているとしか言いようがない。国内的にはもとより、ことの善悪は別として、ブッシュ政権をはじめとして、対外的にも「無責任」のそしりは免れないだろう。
 政府・与党の立場からすれば、「安倍さんがすべての泥をかぶって事態を収拾する」というのが、今となっては最善の選択肢だったのだと思うが、これでは、安倍さんだけでなく、次の総理も泥をかぶることになる。苦労も増え、犠牲者(?)も増えることになるわけだ。どう考えても、思慮のある行動だとは思えない。
 以前、「識見や経験が不十分なままで宰相の座に就いたのは安倍さんの不幸だ」という趣旨のことも、このブログに書いた記憶があるが、事態はまさにその通りの展開になった。
 
 これからどうなるのか、誰が総理・総裁になるのか、その人がどういう挙動に出るのか、今日のところは私には判断する材料もないが、まさか小泉さんが突然むっくり起き上がるということはないのでしょうね・・・。