消えて行った郡

 このブログに何度か書いたように、昨今の市町村合併の進展により、市の数が大きく増え、また、周辺町村の合併により市の領域が大幅に拡大した。「市」は「郡」に属していないので、その結果、「郡」の数は大きく減少した。以下、その一覧をお示ししておこう。
 
 なお、「郡」は、昔はれっきとした地方自治体だったのだが、大正10年の「郡制」廃止により、単なる地域区分に変わってしまい、法的には影の薄い存在になっていたものである。その上、郵便番号制の採用により、郵便の宛名としての存在価値まで薄くなっていたという面もある。
 もっとも、県の出先機関などは郡単位で設けられている場合が多く、法的な位置づけは別として、地域区分としては大きな機能を果たしていたとは言えそうである。私の故郷の山口県大島郡の場合、明治年代から現在に至るまで「東京大島郡人会」という親睦団体が活動しており、そういった意味では、「ふるさとの単位」としてもかなり意味のある存在だと言えなくもない。また、今回新たに生まれた「市」の中にも、以前の「郡名」を継承したものも多く、それだけ地域区分としてふさわしいものだったのだという気もしている。



  平成大合併による郡の変化一覧


北海道 消滅 札幌郡 厚田郡 浜益郡

     変更 山越郡爾志郡(一部)→二海郡    静内郡三石郡日高郡
岩手県 消滅 稗貫郡
宮城県 消滅 桃生郡 栗原郡 登米志田郡 玉造郡
秋田県 消滅 河辺郡 平鹿郡 由利郡
山形県 消滅 西田川郡
福島県 消滅 北会津
茨城県 消滅 多賀郡 行方郡 真壁郡 鹿島郡 西茨城郡 筑波郡
栃木県 消滅 安蘇郡
群馬県 消滅 碓氷郡 新田郡 山田郡 群馬郡
千葉県 消滅 海上郡 東葛飾郡 匝瑳
神奈川県 消滅 津久井郡
新潟県 消滅 佐渡郡 西頚城郡 古志郡 東頚城郡 中頚城郡 中蒲原郡
富山県 消滅 東礪波郡 上新川郡 西礪波郡 射水郡
石川県 消滅 江沼郡
     変更 鳳至郡・珠洲郡→鳳珠郡
福井県 消滅 大野郡 足羽郡 遠敷郡 坂井郡
     変更 三方郡(一部)→三方上中郡
山梨県 消滅 東山梨郡 北巨摩郡 東八代郡
長野県 消滅 更級郡 南安曇郡
岐阜県 消滅 山県郡 郡上郡 益田郡 武儀郡 吉城郡 恵那郡 海津郡 土岐郡
静岡県 消滅 磐田郡 引佐郡 小笠郡
愛知県 消滅 南設楽郡 渥美郡 葉栗郡 東加茂郡 中島郡
三重県 消滅 志摩郡 阿山郡 名賀郡 鈴鹿郡 安芸郡 一志郡
滋賀県 消滅 栗太郡 高島郡 坂田郡 神崎郡 滋賀郡
京都府 消滅 中郡 竹野郡 熊野郡 天田郡 加佐郡 北桑田郡
兵庫県 消滅 多紀郡 養父郡 氷上郡 三原郡 城崎郡 出石郡 朝来郡 美嚢郡 津名郡  加東郡 飾磨郡 宍粟郡
奈良県 消滅 添上郡
和歌山県 消滅 那賀郡
鳥取県 消滅 気高郡
島根県 消滅 能義郡 美濃郡 大原郡 那賀郡 邇摩郡
岡山県 消滅 川上郡 邑久郡 後月郡 児島郡 吉備郡 阿哲郡 上房郡 御津郡 赤磐郡
     変更 御津郡上房郡加賀郡
広島県 消滅 芦品郡 高田郡 双三郡 賀茂郡 御調郡 甲奴郡 比婆郡 佐伯郡 深安郡
山口県 消滅 都濃郡 豊浦郡 厚狭郡 大津郡 吉敷郡 佐波郡 美祢郡
徳島県 消滅 麻植郡 阿波郡
香川県 消滅 大川郡 三豊郡
愛媛県 消滅 宇摩郡 東宇和郡 周桑郡 温泉郡
高知県 消滅 香美郡
福岡県 消滅 浮羽郡 宗像郡 山門郡 三池郡
佐賀県 消滅 小城郡 佐賀郡
長崎県 消滅 壱岐郡 下県郡 上県郡 北高来郡 南高来郡
熊本県 消滅 宇土郡
大分県 消滅 北海部郡 下毛郡 南海部郡 日田郡 西国東郡 大分郡 宇佐郡 大野郡  直入郡
鹿児島県 消滅 日置郡 揖宿郡 川辺郡