題詠100首投稿(41〜60)

 今日、41から60までの20首を投稿したので、例によってまとめてこのブログに掲載する。出来不出来は別として、第100まで一応品揃えは終わったので、数日中には完走できそうなペースなのだが、選歌の在庫次第では選歌の方を優先させようかと思っている。


 題詠100首投稿(41〜60)

041:存在
存在感あるOBになりたしと人に語りしこともありたり
042:鱗
鱗少し付きたる皮を選り分けて食えば魚の目の虚ろなる
043:宝くじ
閏日の今日なれば当たるかと思い出掛けたついでに宝くじ買う
044:鈴
鈴鳴らし馬行く橋を詠みてより五十年余は疾く流れたり
045:楽譜
鼻唄で作詞に曲を付けたものの楽譜にするに苦労しており
046:設
会場に高き演壇設けられ開会前の人影まばら
047:ひまわり
嵐近き雨降る午後をひまわりはさまざまな向き指して萎れる
048:凧
こどもらも空き地も少なき町となり正月の空凧は揚がらず
049:礼
遅れたる礼状なればごまかして昨日の日付で署名しており
050:確率
我が生れし確率極めて低きはずと思えど我れは在るには在りぬ
051:熊
両脇に熊笹の原広がりて川音少し遠き梓川
052:考
「ご参考になれば幸甚」と前書きし言わずもがなのことを書きおり
053:キヨスク
キヨスクで買いたるパンを齧りつつローカル線の列車待ちおり
054:笛
潮速き瀬戸に釣船たむろしてフェリーしきりと汽笛を鳴らす
055:乾燥
乾燥はお肌の敵とのコマーシャル漫然と見て手洗いに立つ
056:悩
若き日に比すれば悩み減りたると古希過ぎし身を思いておりぬ
057:パジャマ
今夜から厚地のパジャマ出して寝る十月も早半ばを過ぎぬ
058:帽
自転車の麦わら帽が通り過ぎ庭の緑が風に揺れおり
059:ごはん
ごはんですよ」妻に呼ばれて原稿は書きかけのままパソコンを切る
060:郎
しんしんと太郎の屋根に雪積むらし玉堂描く山里の冬