題詠100首投稿(61〜80)

 今日は選歌集の日にしようと思っていたのだが、勝手に決めた規定数(25首以上の題が10題)に在庫が達しそうにないので、自作を投稿することにした。例によって、ブログにはまとめて載せる。多分明日は選歌集、明後日に完走ということになるのだろう。いよいよリーチが掛かったわけだ。
 今日は日中の気温は20度近くになるという話、彼岸も近い。「暑さ寒さも彼岸まで」とは良く言ったものだ。もっとも子規の句に、−−母の言葉おのずと句になりて「毎年よ彼岸の入りに寒いのは」というものもあるにはあるが・・・。


    題詠100首投稿(61〜80)

061:@
@(マルエー)は単価の意味と習いしが「アットマーク」にいつ化けたるや
062:浅
夢に出し男は二十年前の付合い浅き同僚なりぬ
063:スリッパ
更けし夜のホテルは侘し部屋に入ればまずスリッパに履き替えており
064:可憐
通学の朝の電車の人波に可憐な人を見かけしことあり
065:眩
ステージの脇に控えし田楽の踊りの群れに日差し眩しき
066:ひとりごと
一人来し旅にてあれば「きれいだね」と海眺めつつひとりごと言う
067:葱
葱あまり好まぬ我れが友につられ葱ラーメンを注文しおり
068踊
風の盆の踊りの渦に酔いたれば暗き街並み選びて帰る
069:呼吸
深呼吸せよと看護婦言いてより排尿管は一気に抜かる
070:籍
親戚の戸籍謄本ふと見れば知らざる過去がいろいろとあり
071:メール
出逢い系メールを見れば興味引くものもありたり慌てて消しぬ
072:緑
山々は淡き緑におぼろなり萌え出づるものはみな弱々し
073:寄
若き日と同じ月ありふるさとの海は静かに波寄せており
074:銀行
久々の自転車なれば銀行へのわずかな坂に息切らしおり
075:量
谷間(たにあい)の町に白壁並びいて水量増せる川の流れる
076:ジャンプ
ホップ ステップ ジャンプと言えど人生のジャンプの時も遠く過ぎたり
077:横
若き僧侶横に坐りぬラジカセの音響かせて黙しておりぬ
078:合図
手踊りの列のなかなか定まらず合図する人うろたえており
079:児
献花する喪服の母に抱かれてみどり児静かに眠りておりぬ
080:Lサイズ
首に合わせLサイズのシャツ買いたれば袖の長さを気にして過ごす