住民登録要件の緩和

 朝日新聞の「声」に投稿した原稿である。投稿してかなり経ったので、多分ボツになったのだろうと思い、このブログに載せることにした。ここ数回、「声」はボツ続きである。考えてみれば、一時打率が高い時期があったので、すこし楽観視し過ぎていたのかも知れず、ボツが多いのが当然ということなのかとも思う。


      住民登録要件の緩和


 今回の定額給付金の迷走ぶりは目に余るものがあるが、それはさておき、定額給付金を受けるためには、住民登録が前提になっているようだ。生活保護、職業紹介その他の受益についても同様らしいが、これでは一番困窮している人たちが受益の適用対象外になってしまう。
 住民登録を前提とすること自体に問題があるのかも知れないが、制度運用の上からはあるいはやむを得ないことかとも思う。とすれば、住民登録の要件を緩和し、いわゆる定住要件を欠いているような場合でも住民登録を受けられるようにすべきではないか。
 住民登録の場所は、公園内のテントでも、ネットカフェでも、お寺の境内でもどこでも良い。場合によっては、市区町村の役場でも、NPO法人の事務所等でも良いだろう。要は、個人と場所が特定でき、連絡が可能な場所であれば、どこでも良いと割り切るべきではないか。
 もちろんそれにはいろいろな問題はあるだろうが、問題点を気にする余り、一番受益を必要とする人たちが受益の対象から外れることは、何としても避けなければならないことだと思う。