題詠100首投稿(61〜70)

 選歌集は、いまひとつ規定数に届かない。どうやらトップランナーにはならずに済みそうなので、今日は自作の投稿にする。天気予報によれば、今日は最低気温18℃、最高気温21℃とか、いずれ寒さがぶり返すのだろうが、それにしても春は急ぎ足だ。


      題詠100首投稿



061:ピンク
 モノクロの卒業写真を捜しいる記憶の中の桜はピンク
062:坂
 自転車のペダルいささか重ければこの道少し上り坂らし
063:ゆらり
 篝火のはぜる音小さくなりしとき太郎冠者ゆらりと現れ出でぬ
064:宮
 若き日に弥勒に会いし中宮寺 夏の畳はひんやりとして
065:選挙
 選挙カーの音遠くより流れ来て秋の長雨まだ降り止まず
066:角
 この角を曲がれば桜あるらしく花びらあまた風に舞いおり
067:フルート
 友に借りてフルート吹きし日もありき六畳一間の下宿の夕べ
068:秋刀魚
 七輪で秋刀魚焼く日のありしこと既におぼろな記憶となりぬ
069:隅
 幹事なれば控え目なるがマナーかと記念写真の隅に立ちおり
070:CD
 オープンリール カセットテープ CDと懐かしき日々棚に並べり