題詠100首投稿(71〜80)

 明日あたりからまた寒さが戻るようだ。一進一退しつつも春は着実に近付いて来るし、春には春の花が咲く。当たり前のことではあるが、何だか不思議な気がしないでもない。
 去年までは、このあたりで残りの作品をまとめて投稿していたのだが、トラックバックの「集中豪雨による立入り禁止」も気になるので、今年は選歌優先にして、選歌集のない日だけ10首ずつ投稿することにしている。それでも、心ならずも(?)あと2、3日で完走ということになりそうだ。


     題詠100首投稿


071:痩
 二十キロ痩せたると言う友ありて病のことなど話しておりぬ
072:瀬戸
 ふるさとの島まなかいに霞みいて瀬戸内海の午後は明るし
073:マスク
 マスクしても瞳やさしき人ありて向かいの座席に揺られておりぬ
074:肩
 肩甲骨左右に順次上下して夏の母親乳母車押す
075:おまけ
 駄菓子屋のおまけで当たりしブロマイド 宝物とせし日々もありたり
076:住
 旧居寓居新住居へと移動せし本は埃を引き連れて来る
077:屑
 屑入れの見当たらざればポケットにゴミ入れしまま街を歩みぬ
078:アンコール
 アンコールするも一種の儀礼にて気もなき拍手続けておりぬ
079:恥
 恥という言葉を知らぬ人あまた世にはびこるも時の流れか
080:午後 
 若き娘(こ)に引かれて午後の道を行く犬のふぐりの左右に揺れる