題詠100首投稿(021〜030)

021:狐     にわか雨の過ぎたる後の空青し狐の嫁入りもう済んだのか
022:カレンダー カレンダーめくれば三月花ありて花の向こうに女が立ちぬ
023:魂     学校の裏の小山の忠魂碑いまも残るか草むすままに
024:相撲    あのときは一人相撲であったかと古き記憶をまさぐりていぬ
025:環     次の会までの時間を持て余し環状線を一回りする
026:丸     膝かばいゆっくり降りる階段の手摺りの丸み手に温かき
027:そわそわ  そわそわとしているように見えぬよう我ことさらにゆっくり歩む
028:陰      一瞬の陰りと見れば高速路を巨きトラック走りて行けり
029:利用    「利用価値あるならどうぞ」と前置きし出来そうもない相談受ける
030:秤     娘より貰いし秤古びたれど湯に入るたびにそに乗りており