題詠100首投稿(31〜40)

031:SF  ひところは馴染みしSF小説も縁遠くなり齢重ねる
032:苦   吾の知らぬ幼き日まで抉り出す友と飲む酒苦くて旨し
033:みかん ふるさとの島過疎なれどみかん摘む人影動き海光る見ゆ
034:孫   かあさんと呼べば妻と子二人して返事を返す孫らの来た日
035:金   娘住む町にてあれば金沢の天気予報に目を凝らしいぬ
036:正義  正義感振りかざしたる人なるに立場変われば逃げを打つのみ
037:奥   アクセサリーじゃらじゃら提げしザック負いて初老の奥様お出掛けと見ゆ
038:空耳  目覚ましは空耳なるに起こされてぬるき布団に惰眠続ける
039:怠   古希過ぎし我が身にあれば怠惰なる日々を送るもまた良しとせむ
040:レンズ ぎごちなく眼鏡のレンズ拭きながら由なきことを我言いており