題詠100首投稿(071〜080)

 だんだんゴールが近づいて来た。一応最終題まで出来上ってはいるのだが、選歌の方を優先させたいと思って、投稿はなるべく控えるようにしている。とは言え、今日は選歌の数が私が勝手に決めた基準数に達していないので、やむを得ず(?)自作を投稿する次第。


071:褪     「ボロ」という着物のテレビ見ておりぬ色褪せたるもまた良しとして
072:コップ   紙コップに茶を入れ席に戻りおれば尿の検査を受けいる如し
073:弁     今日もまた前後の区別弁えず湯上がりに穿くパジャマのズボン
074:あとがき  あとがきを書くのもひとつの楽しみとクラス会誌の編引き受ける
075:微     病室の窓辺に寄れば微妙なる階調見せて夜は明け初めぬ
076:スーパー  我が町のランドマークのスーパーが近づき長き散歩が終わる
077:対     「基地反対」のスローガンかと目をやれば「墓地反対」の幟連なる
078:指紋    指紋付きて書類いささか汚れたればいかにせむかと思案しており
079:第     仲間らも次第に老いて名簿には肩書のなき氏名が増えぬ
080:夜     都会にも夜の風吹く盆踊り踊らぬ子らが浴衣で走る


番外
(071:腿     腿ばかり太くなったと言い捨てて選手リンクを滑りて去りぬ)
 早とちりで、「褪」を「腿」と読み違えて投稿してしまった。下記コメントでアンタレスさんからご指摘頂き、慌てて差し替えたところだ。老眼のせいもあるが、年齢とともに「思い込み」が激しくなったせいもありそうで、あらためて自戒しているところだ。それにしても、「あまりセクシーな歌にしなくて良かった」と、ちょっぴり安堵したことではある。(28日追記)