題詠100首投稿(021〜030)

 とりあえず記録した短歌があると、あまり気に入ったものでなくても、ついついそれに妥協して投稿してしまう。ゆっくり走ろうと思いながら、第30まで来てしまった。今日は東京も雪。もっともみぞれに近い雪で、積もりそうな気配はない。


        題詠100首投稿(021〜030)


021:洗
蒸し暑き梅雨の晴れ間の午後の道洗い物干す人と目が合う
022:でたらめ
「でたらめ」はいかがわしいが「ランダム」と呼べばいささかもっともらしき
023:蜂
足長き蜂が這いいる硝子戸を少し開きて手で追いていぬ
024:謝
深々と頭を下げて謝るも演技のごとく見える日もあり
025:ミステリー
地下鉄を二駅行く間に三人の女死したるこのミステリー
026:震
地震に遭いし夢見て目覚めけり寝台列車の浅きまどろみ
027:水
窓より差す光に水のきらめきて区営プールに日はまだ高し
028:説
説得力なき論争の続きいる国会質疑のテレビを消しぬ
029:公式
公式的な話よりまず本音をと質せど答は迂回するのみ
030:遅
身の内の眠気を絞り出さむとて遅き眠りをむさぼりており