題詠100首投稿(031〜040)

題詠100首投稿(031〜040)


031:電
軒先に裸電球連なりて「昭和の街」が光る夕暮
032:町
色褪せた古き映画のポスターが古びた町のガードを覆う
033:奇跡
確率論だけで言うなら我が生れしことこそ最大の奇跡にあらむ
034:掃
作業場の落ち葉掃きいる男あり秋深まりし夕べの散歩
035:罪
功罪はさまざまなれどパソコンに頼りて過ごす日々の続けり
036:暑
美術館出れば日差しはまだ強くロダンの彫刻みな暑げなり
037:ポーズ
さりげなくポーズをとれどカメラマンは我を無視して先に進みぬ
038:抱
叙勲祝い友より言われ屈折せる思い抱きつ礼を述べおり
039:庭
中庭の楓も既に紅葉してビルの谷間も秋はたけなわ
040:伝
雪の予報伝えるニュース終りたれば窓開け夜の庭を見ており