題詠100首投稿(061〜070)

題詠100首投稿(061〜070)


061:有無
決めつけて有無を言わせぬ追及に違和感ありてテレビを消しぬ
062:墓
墓遷すために帰りしふるさとの宿で蛙の声聞き眠る
063:丈
駅に行く道広げられ街路樹は丈低きまま冬となりたり
064:おやつ
おやつなど妻が詰めたる小袋を開きて帰路の列車に揺らる
065:羽
今朝もまたメジロ二羽来てせわしなく庭の木の実をついばみており
066:豚
牛も豚も埋められしという広野にも新燃岳(しんもえだけ)の灰降りいるや
067:励
人多き「励ます会」の片隅で所在なきままビール飲みおり
068:コットン
時を経し南の島に今もなおコトコトコットン水車回るや
069:箸
正月の朝の食事の祝い箸今年も太く名を書きており
070:介
労わりとお節介とは紙一重と向かいの夫婦の仕草見ており