題詠100首投稿(071〜080)

           題詠100首投稿(071〜080)


071:謡
新しき歌謡曲とも縁遠く古き歌のみ歌うスナック
072:汚
排ガスに黒く汚れし雪の土手を両脇に見てバス走り行く
073:自然
われこそは自然発生派無手勝流 至って無精なる歌詠みなるぞ
074:刃
立ち並ぶ高層ビルの稜線が刃のごとく蒼天を切る
075:朱
霧深く杉の木立に雨降れば根本大塔の朱のおぼろなる
076:ツリー
クリスマスツリーに灯の点く家ありて幼き声が奥より聞こゆ
077:狂
漫談にトリオはあれど狂言に三郎冠者の出番少なく
078:卵
黒ずみし温泉卵出ておれば宿の朝餉の嬉しくなりぬ
079:雑
時計塔が若き日の憧れなりしゆえクラス雑誌の誌名は「うてな」
080:結婚
結婚をせぬ人多き世となりて子らの少なき町に住み継ぐ