地震の御報告など

 今回の大地震、東北地方の惨状は予想を遥かに超えるもので、心の痛むところだ。題詠100首の投稿も、ほとんど増えていないようで、「選歌集」をまとめる数にはなかなか到達しない。選歌集を載せる際に、地震の感想も書こうかと思っていたのだが、皆様それどころではなく、「短歌モード」への切替えができないというのが現状なのだろう。私とて同様である。とりあえず、皆様への御報告を兼ねて、我が家の状況と多少の感想を書こうと思う。


 当日、我が家(東京23区内)も相当揺れた。私は2階の書斎でパソコンに向かっていたのだが、大きな揺れに驚いた。台の上に横積みにしていた資料などがずれて、床に落ちたりしたが、「被害」という実感はなかった。同じく2階の応接間を見たら、飾り棚の上の花瓶などがかなり床に落ちており、壊れた花瓶も2,3あった。後で気がついたのだが、書斎の本棚の本がかなり前の方に寄っており、もう少しで下に落ちる状況になっていたようだ。
 階下の食器棚を開こうとしたら、保護装置が働いたらしく棚の扉が開かない。もちろんすぐ開いたのだが、どうやら保護装置のお蔭で扉が締まり、そのお蔭で食器が落ちるのは防げたようだ。
 ガスによる床暖房をしているのだが、スイッチのランプが点滅し、警報音が鳴っている。ガスコンロを点けてみようと思ったら点火できない。ガスの供給が止まったのかと思い、ガス会社に電話してみたのだが、混雑のためか電話が繋がらない。説明書を開いてみたが、該当する項目が見当たらない。思い付きで、「ガス 地震」という入力でネットを検索してみたら、ズバリのものは出ていなかったが、質問欄に「ガスが止まったので、ガス会社の指示に従いガスメーターの『解除』ボタンを押したが回復しない」との質問があり、回答はまだ出ていない。「なるほどガスメーターがポイントか」と思い、屋外のガスメーターを見たら、復旧方法を書いたカードが付いていた。それに従い、所定のボタンを押したら、無事回復したので一安心。一つ利口になった。本来の説明書の記載が不完全だったのか、それとも私の見方が悪かったのかは良く判らない。
 地震当初はさほどのショックもなく、自分自身に被害者意識もなかったのだが、その後お見舞いの電話やメールを頂いたりしているうちに、「われわれ自身も小さな被害者なのだ」という実感と一種の「非常時意識」が後になって湧いて来た。

 それにしても、東北地方の惨状は目を覆うばかりだ。今回の地震を契機に、地震列島たる日本の脆弱さをあらためて痛感したところだ。オロオロしながらニュースを注視しているのみのわが身が不甲斐ない。 それに加えて原子力発電所の事故。遂に多数の住民の避難というところまで進んでしまった。昔通産省原子力発電課長をしていた身としては、気が揉めるところだ。観測史上最大の地震であり、大津波であるということを考えれば、やむを得ない面もあったのかも知れないが、緊急炉心冷却装置が働かないということは最悪のケースであり、いかに大地震であれ、それへの対応が不完全だったということは否定できないと思うし、原子力発電に対する信頼性を損なう結果になってしまったことは残念なことだ。現在(13日午前)のところ、致命的な支障には至っていないようであり、事態は収束の方向に向かっているようだが、少しでも早く安心できる状態に回復することを期待するのみだ。
 
 以上、とりとめもない御報告と感想まで。ご心配下さった皆様、どうもありがとうございました。



<3月15日追記>
 このブログから2日経過した。地震津波自体の影響は予想以上だし、東京近辺にも計画停電の影響は及んで来た。それのみならず、今後中長期的に、我が国全体の社会や経済に及ぼす影響も甚大だと思う。「戦後最大の国難」という言い方も大げさではないような気がして来た。
 また、福島原発の事故も、私の予想を超えた進行を見せており、見通しが甘かったということを痛感している。何とか収拾の方向に向かうことを期待するのみだ。
 以上、書いてみたところで詮ないことではあるが、2日後の感想として補足した。