題詠2012投稿(001〜010)

 ここ数年参加しているネット短歌の会(注)への投稿である。投稿は、100の題につき1首ずつトラックバックして進めるのだが、1日に1首では効率が悪いので、投稿した後でまとめて整理し、ある程度まとまったものを、改めてこのブログに載せることにしている。

 毎年スピードは速い方で、半月くらいで100題完走しているのだが、今年は少しゆっくり走りたいとも思っている。ただ、毎年勝手な選歌をすることにしており、自分が投稿する前に他の方の作品は読まないことにしているので、自作の投稿をしないことには選歌も先に進めない。そんなわけで、今年も結構早い完走になってしまうのかとも思う。

(注)五十嵐きよみさんという歌人の方が主催しておられる会で、100の題が示され、これを2月から11月までの間に題の順にトラックバックして行くというスタイルの会。毎年、ある程度まとまったところで勝手な選歌集をこのブログに掲載し、終わったところで「百人一首」を作っており、今年も同じようにしたいと思っている。

題詠2012投稿(001〜010)


001:今
レールのみ埋め残して雪積みて今日東京は雪国の朝
002:隣
音もなく雨降りたるか街灯に隣の屋根の光りておりぬ
003:散
川岸の桜並木を行く人の後姿に花散りかかる
004:果
あらかたは我より若き人なりて歴代局長の宴(うたげ)は果てぬ
005:点
テレビ点けに立ちて行くのも億劫で湯の宿の夕べぼんやりと坐す
006:時代
ハワイよりの援助物資のチョコレート宝物(ほうもつ)とせし時代もありぬ
007:驚
驚きの感覚次第に薄れるも喜寿近づきし齢(よわい)のゆえか
008:深
公園のベンチに枯葉の一つ落ちて霧深き夜の人影動く
009:程
程の良き山の湯宿に満ち足りて野天の風呂に雨の音聞く
010:カード
今回のデータはイエローカードですと医師はつぶやきカルテを閉じぬ