題詠2012投稿(061〜070)

       題詠2012投稿(061〜070)

061:企
企ては密なるを以て良しとして見抜かれているを承知で隠す
062:軸
軸足をいずこにせむか迷いつつ確信持てぬ論を説きおり
063:久しぶり
久しぶりに会いたる友の一団にいたく老けたる人もありたる
064:志
禁煙を志したる灰皿に長き吸殻あるが嬉しき
065:酢
幼き日磯遊びして採りて来し小さき牡蠣の酢の物美味き
066:息
息子夫婦訪ね来るとて夕食の献立妻は思案しており
067:鎖
「絆」とは心地良けれど「鎖」という言葉を連想することもあり
068:巨
いにしえの巨人大鵬たまご焼きいずれも我の好みにあらず
069:カレー
キャリーバッグ押す人群れの連なれるモノレールへのエスカレーター
070:芸
連れられて入りし園芸店の午後シクラメンの香り温室に充つ