題詠100首投稿(011〜020) 

        題詠100首投稿(011〜020)

011:習 いつよりか駅の階段降りるとき手摺りに頼る習いとなりぬ
012:わずか 漁船まだ帰着せざるか夕暮の漁港に舫う船影わずか
013:極 極め手なると気負いし石はかわされて前途多難の攻め合い続く
014:更 寝むとして床に入ればしんしんと夜の更け行く音の聞こゆる
015:吐 更けし夜の駅のベンチは静まりて深き吐息をつく女(ひと)のあり
016:仕事 夢に見る仕事がらみのあらかたは遠い過去なる官庁暮し
017:彼 憧れし山の彼方に青い鳥 居しや否やはいまだに知らず
018:闘 春闘という語もいつしか錆び付きて緊張感欠くものとなりたり
019:同じ 「崇(あが)める」と「祟(たた)る」は同じ文字なると思い込みいし時期もありたり
020:嘆 幕開けば舞台は花の盛りにて嘆声低く客席に満つ