題詠100首投稿(041〜050)

        題詠100首投稿(041〜050)


041:カステラ アレルギーゆえにカステラ食えざりし幼き日あり往時茫々
042:若 若き日に帰りて寮歌歌いおり友らはなべて無邪気な顔で
043:慣 司会者は明るく我に問い掛けぬテレビで見慣れしほほえみ浮べ
044:日本 テレビ映すひなびた日本の原風景私はそこにはもう戻れない
045:喋 スピーチで喋り忘れたことありてやや落ち着かず酒呑みている
046:間 海の如く霧は谷間を埋め尽くし紀伊の山塊墨絵の如し
047:繋 繋ぐとは愛の証か拘束かはたまた利害のしがらみなるか
048:アルプス 北アルプスは影絵となりて連なれりたそがれなれば旅は寂しき
049:括 アンケートの年齢区分の欄見れば六十以上はひと括りにて
050:互 呆気なく友の逝きたりお互いに危ない歳と電話を切りぬ