題詠100首百人一首・あとの祭

      題詠100首・百人一首「あとの祭」
 
 
 昨日12月4日のブログに、「題詠100首・百人一首」を載せた。結構苦労もしたが、先が見えない中で、何が出て来るかと思いつつの楽しい作業でもあった。皆様へのお詫びや釈明などは、その前日3日のブログに書いているので、その繰返しは避けて、今日は、選定の終わったところでの感想や補足などを書くことにしたい。なお、去年書いたもの(昨年12月5日付け「あとの祭」)の焼き直しの部分も多いことを、まずお断りしておきたい。
  
 これまでにも触れたように今年は完走者の数が100人を切り、完走者以外の方の作品も対象にすることとした。その辺の検討の過程や釈明は前夜祭でも書いたので、重複は避けたい。それだけに、多少無理なところが出ていないかどうか、少々心配もしたし、数が少ないだけに層の薄さを感じないでもなかったが、出来上がったものを眺めたところでは、これまでに比較してもそれほど悪いものではないとも思っている。


 作成の過程について、例年通り少し御説明をしておこう。
 百人一首の前提として、選歌集を40回(去年は65回)にわたってブログに掲載した。この催しの全作品11,033首(去年は16,561首)(注:主催者ブログのトラックバック件数として記載された件数から各題につき1を引いた件数(後注参照)。二重投稿や誤投稿もあるので、実作品数はこれより数%少ないと思う。)のうち、選歌集に掲載した作品数は、1,349首(去年は1,857首)である。残念ながらいずれも去年をかなり下回っている。(後注:トラックバックの「テスト」が各題とも1件ずつカウントされているので、これを差し引いた。)
 先日前夜祭にも書いたように、今年は完走者に限らないことにしたので、この1,349首を選考の対象とした。なお、例年同様、私の作品も、補欠あるいはDHとして潜り込ませて頂いた。


 結果として見ると、100首のうち、完走者の方の作品を81首、完走者以外の方の作品を19首選ぶという結果になった。完走者の場合には、選歌集に4首以上選んだ方の全員と3首以下の方3名、非完走者の場合には、8首以上の方全員と7〜4首の方8名という結果になっている。

 完走者の作品のうち、選歌集で採らせて頂いたものを作者別にカウントすると、
40首以上:2名 30首以上:4名 20首以上:15名 15首以上:5名 10首以上:21名 5首以上:26名 4首未満:12名  以上合計85名
 また、完走者以外の方の作品のうち選歌集で採らせて頂いたものを作者別にカウントすると、
15首以上:2名 10首以上:6名 5首以上:9名 4首未満:34名
となっている。

 マトリックスにつき、少し補足しよう。それぞれの題と作者からそれぞれ候補作を選び、その組合せを考えて行った。方法としては、比較的迷わずに選定できる題や作者(多くの場合、候補作の少ない題や作者)の作品を順次選ぶといった方法で、次第に絞って行った。
 一応出来上がった後で、入れなかった作品を見渡してみて、「これは是非入れたいな」と思うものも沢山あるのだが、それを入れると、既に入れたその方の作品を落とすことは当然として、その題のほかの方の作品も落とさなければならない。落とした方は他の題で入れなければならないし、その結果落ちる方がまた出て来る。その種の玉突き状態を繰り返していると収拾がつかなくなり、仮りに何とかなったとしてもどこかに無理が出て、全体として見れば、当初のものより出来の悪い結果になる可能性が大きい。とは言いつつも、なるべく満足できるものにしたいと思い、何度かの「玉突き」は行った。それにしても素晴らしい「玉」が漏れているケースも結構あると思うが、最後は、目をつぶって妥協せざるを得なかったという点はお許し頂きたい。なお、例年に比べて候補作の数が題、作者ともに少ないので、従来以上に玉突きに限界があったのは正直なところである。
 

 先日も書いたように、選歌集自体全くの私の独断と気紛れの産物なのだが、それを母体とした「百人一首」も、その点では同様である。ただ、なるべくそれぞれの題のベストクラス(もちろん私の勝手な物差しによるものだが・・・)のものを、またそれぞれの作者のベストクラスのものを選びたいと思い、それなりに苦労もし、私の物差しからすればそこそこの選定はできたと思ってはいるのだが、果たして如何なものか。選ばれなかった方にとってはもとより、選ばれた方にも「自分のベストはこれではない」という御不満は残ると思うが、題と作者のマトリックスという難題に免じて、その点はお許し頂きたい。
 選歌というもの、作品の評価と同時に、選者の力量と感覚を問われているものだと思い、いささか恐れを抱いているところでもある。
 選定の準備段階として、選歌集を纏める都度、その作品をパソコンの「エクセル」に入れて整理していたのだが、これは最終段階の労力をかなり省いてくれた。最初の1年は普通の「ワード」で整理していたので、最終段階でかなり無駄な作業も必要になったが、2年目から少し智恵が付いて「エクセル」にしたため、題や作者別に整理し直し、見直すのが、随分楽になった。

 選歌集に載せた作品数及び投稿の全作品数は、以下のようになっている。(全作品数については、上述の「注及び後注」参照)
 001:新(選歌数27/全作品数184)002:甘(34/178)003:各(25/168)004:やがて(15/169)005:叫(15/169)006:券(24/163)007:別(19/159)008:瞬(21/151)009:テーブル(27/151)010:賞(16/148)011:習(17/141)012:わずか(18/141)013:極(11/140)014:更(18/135)015:吐(20/132)016:仕事(14/137)017:彼(15/132)018:闘(15/125)019:同じ(18/130)020:嘆(15/125)021:仲(14/125)022:梨(18/123)023:不思議(13/123)024:妙(16/121)025:滅(11/122)026:期(15/120)027:コメント(13/117)028:幾(22/121)029:逃(15/118)030:財(11/116)031:はずれ(13/116)032:猛(8/114)033:夏(29/115)034:勢(15/114)035:後悔(17/113)036:少(14/109)037:恨(16/110)038:イエス(14/108)039:銃(10/111)040:誇(14/111)041:カステラ(17/109)042:若(17/108)043:慣(13/107)044:日本(7/109)045:喋(18/107)046:間(11/104)047:繋(14/111)048:アルプス(9/106)049:括(12/106)050:互(9/106)051:般(11/106)052:ダブル(8/108)053:受(12/102)054:商(15/102)055:駄目(10/103)056:善(8/100)057:衰(12/99)058:秀(5/100)059:永遠(8/101)060:何(16/98)061:獣(12/98)062:氏(12/98)063:以上(10/96)064:刑(12/96)065:投(12/98)066:きれい(13/96)067:闇(17/95)068:兄弟(8/94)069:視(10/96)070:柿(17/97)071:得意(9/92)072:産(11/93)073:(11/91)074:ワルツ(12/90)075:良(10/92)076:納(16/91)077:うっすら(12/90)078:師(11/89)079:(11/91)080:修(8/91)081:自分(11/88)082:柔(6/88)083:霞(11/86)084:左(10/88)085:(12/88)086:ぼんやり(16/89)087:餅(8/88)088:弱(11/90)089:出口(15/89)090:唯(8/89)091:鯨(6/86)092:局(7/88)093:ドア(14/87)094:衆(6/88)095:例(10/90)096:季節(16/89)097:証(7/88)098:濁(6/87)099:文(12/89)100:止(9/87) 合計(1349/11033)


 以上、甚だ勝手な百人一首であり、独りよがりの感想だが、皆様に多少なりとも御評価頂ければ、まことにありがたいことである。来年も私の気力と体力が続く限り、皆様にお目にかかれることを楽しみにしている。なお、これでこのブログ、短歌関係はしばらくお休みになるのだと思う。弁護士事務所ありキャバクラありの雑居ビルのようなブログだが、このブログもたまにはお覗き頂ければ幸甚である。それでは皆様、どうかお元気で新しい年をお迎え下さい。また来年お目にかかりましょう。

注:後の祭り(インターネットの「大辞林」より)
[1] 祭りの翌日、供え物を下げて飲食すること。後宴。[2]〔補説〕 祭りのすんだあとの山車(だし)の意から、時機を逸して甲斐のないこと。手遅れ。悔やんでも「後の祭り」だ