題詠100首百人一首前夜祭

  題詠100首・百人一首前夜祭(又は前々夜祭又は前々々夜祭)

 この1年間、題詠100首の勝手な選歌を続けて参りましたが、それを土台にしてこれまで同様百人一首を作る積りだということは、既に申し上げた通りです。発端は2005年ですから、今年で11年目になります。余計なお節介だとお感じの方もおられるかとも思いますが、御関心をお持ちの方もおられるようですし、我ながら良く続いて来たものだとも思います。
 11年目と申しましたが、一昨年以来随分様子が変わりました。と申しますのは、それまでは完走者の数が、100人をかなり上回っていましたので、その中から選んでいたのですが、一昨年以来完走者が100人をかなり切りましたので、私なりに考えた末、完走にこだわらないということに致しました。以上が一昨年までの経緯です。
 ところが、今年はより根本的な問題が出て参りました。参加者の数が全体で137名に減り、このうち私の選歌集で採らせて頂いた作者の数は101名に減ってしまったのです。100のお題から100首を選ぶのは当然の前提だと思いますし、ある程度のレベルを保持しつつ百人一首を作るためには、これまでの経験では、選定の母体として120名程度の作者が欲しいところです。そうなると、101名から百人一首を選ぶのはまず不可能です。そんなわけで、「百人一首」の選定自体をやめようかとも思ったのですが、これまで続けて来たものだけに未練もあり、妥協策を模索致しました。結論を申せば、厳密な意味での「百人一首」はギブアップし、何人かの方には再登場をお願いして2首選ぶという方法を採ることに致しました。それがベストの選択かどうかには迷いもありますが、「百人一首」らしきものを続けるには他の方法が思いつかなかったというのが、正直なところです。
 実は、まだ実質的な作業にはほとんど入っていませんので、以上の方針でうまく出来上がるのかどうか自信はありませんが、ある意味ではルールを緩めたわけですから、これまでの経験からすれば、何とかなるだろうとは思っております。なお、これも例年同様、私の作品も、1首潜り込ませて頂きたいと思っております。
 
 最後に、これまでと全く同じセリフですが、さまざまな方々にお詫びと弁解を申し上げなければなりません。
 第1に、参加者全員の方々と短歌の神様にお詫び申し上げます。私より優れた方々も多数おられる中で作品を選ぶという甚だ不遜な振舞いにつきましてのお詫びです。私のあそび心ということで、お許し頂きたいと存じます。
 第2に、選ばれなかった方にお詫び申し上げます。あくまでも私の「独断と偏見」に基づく選歌ですから、ほかの方が選歌すれば全く違う結果になったと思います。また、何分多くの作品からの選歌ですから、素晴らしい宝石を見落としている可能性もあろうかと思います。
 第3に、選ばれた方へのお詫びです。題と作者のマトリックスという関係で、参加者のベストの作品が選ばれず、御不満の方も多いと思います。この点は、「選者」たる私にも多分不満が残るのだろうと思いますが、マトリックスという制約に免じてお許し頂きたいと存じます。

 そして、新たなお詫びは、「百人一首」という看板に偽りが生じ,いわば「似非百人一首」になってしまったというお詫びです。選ぶ母数が減ってしまったという事情に免じてお許し頂きたいと存じます。

 以上、お叱りを被る前に、予防線を張っておく次第です。これでも相当の労力の産物ではありますので、その労力と、私のあそび心に免じてお許し頂きたいと存じます。
 ただいま申し上げたことは、現物と一緒の欄で申し上げても良いことですが、本体がゴチャゴチャするのも気に入りませんので、前夜祭ということで、本日の欄に載せる次第です。それでは、あまり期待なさらずにお待ち下さい。