慰安婦問題の決着

 年末に朝日新聞の「声」に投稿したのだが、どうも載りそうにないので、こちらに回す。一昨年くらいまでは、「声」の打率は結構高かったのだが、去年あたりからボツが続く。もっともそれほど投稿しているわけでもないが・・・。


        慰安婦問題の決着

 日韓の慰安婦問題が一応決着した。妥協の産物と言えばそれまでだが、まずは喜ぶべきものだと思う。安倍総理の政治姿勢には基本的な疑問を持っている私だが、このたびの決着は安倍総理の決断による要素が大きく、高く評価したい。
 もちろんさまざまな評価があり得るところではあろう。「弱腰」との批判もあり得るだろう。しかし政治的な利害得失の視点から見れば、これにより安倍さんが失う支持よりも、これによって得る支持の広がりの方が意味が大きいと思うし、安倍政権にとって不利な選択ではなかったと思う。右寄りと見られがちな安倍さんだからこそ出来た決断だとも言えるだろう。
 むしろ問題は韓国の朴政権を取り巻く環境だろう。韓国は被害者の側であり、今回の妥結に対する反発は、日本側よりも強くかつ深いことが予想される。朴さんの負う政治的リスクは、安倍さんのリスクを大きく上回るものだと思う。
 このことを十分念頭に置いて、我が国側の強硬論などによって朴政権を追い詰めることにならないよう、今後の我が国として謙虚さと節度を持って対応すべき点が多いと思う。