2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠100首投稿(026〜030)

題詠100首投稿026:湿 湿り気を帯びし甍に雫落ちて京の町屋に雨降らむとす 027:ダウン 知らぬ国の夜更けは侘し帰路急ぐダウンタウンに弱き雨降る 028:改 改めて言うほどのことでもないが思ったよりは元気そうだね 029:尺 浮き沈み激しき戦後に生れし語斜陽…

題詠100首投稿(021〜025)

題詠100首投稿 021:小 小春日の庭の小菊を巡りつつ白き蝶舞う そのはかなさよ 022:砕 戦意高揚の意図もあらむにフジタ描きしアッツ玉砕のその無残さよ 023:柱 植木鉢並ぶ露地裏門柱の脇からゆらりと猫現われぬ 024:真 真昼には疎らに見えし町なるに帰路は…

題詠100首選歌集(その4)

選歌集・その4014:込(1〜49) (しま・しましま)捩ぢ上げるやうに西日が差し込んでくるから帰りの足がもつれる (横雲)申込み締め切りましたとそっけなく断り入れて携帯閉じる (原田 町)三月の寒のもどり日ストーブにけんちん汁を煮込みておりぬ 015:…

題詠100首投稿(016〜020)

題詠100首投稿016:荒 波荒れる岬回れば静まれる漁港に船の群れ泊まりおり 017:画面 ドレスからこぼれんばかりの胸見せて歌手は画面でしな作りおり 018:救 救急車過ぎたる道でワウワウと口真似をして子の遊びおり 019:靴 茶の革靴はじめて買って履いたのは…

題詠100首選歌集(その3)

選歌集・その3 009.異(1〜60) (小春まりか)異邦人にも異星人にもなれずBOSS飲みながら夜空眺める (紫苑)たつきの手ふと休むれば異界への出口のやうなしろき満月 (五十嵐きよみ)価値観の異なる人が同じ本を好きだと知ってしばし戸惑う 010:玉(1…

題詠100首投稿(011〜015)

011:怪 その祖父は昭和の妖怪と呼ばれたり孫も小粒な妖怪めきて 012:おろか おろかなる振舞いをせしことあまた思慮浅きまま齢重ねぬ 013:刊 医師待つ間の女性週刊誌のスクープはあらかた知らぬタレントばかり 014:込 ひな人形呉れたる人もすでに失せて三月の…

題詠100首選歌集(その2)

選歌集・その2 005:中心(1〜69) (梛野更紗)中心に触れてみたくて焦れたあの夏から遠い窓のない部屋 (梅田啓子)中心はここよとばかり写るひと冬の野に咲くヒマワリのように (キョースケ) 自転車を颯爽とこぐスカートが風に流れて春の中心 006:婦…

題詠100首投稿(006〜010)

006:婦 看護婦が「看護師」と呼び名変えてより白衣の天使は遠ざかりたり 007:度 語呂合わせとしても上出来四万十市の高温記録は四十一度 008:ジャム ジャムパンを好んで食いし時期もありき高校時代の食堂売店 009:異 定訳と異なる台詞流れ来ればやや戸惑いて…