苛立たしい話(NHK、NTTその他)

 「あまり興味はない」と言いつつ、ついついオリンピックのテレビ観戦の時間が長くなってしまう。北島選手の連覇は素晴らしい偉業で、NHKの実況やニュースでも、競泳の連続金メダルは76年ぶりの快挙だと何度も言っていた。
 それは良いのだが、「76年前の快挙」が誰のものなのか一向に説明がない。個人差はあるのかも知れないが、私の場合、「76年ぶり」と聞けば、ついつい76年前のことを知りたくなるし、そのような人も多いだろうと思う。なぜその中身に触れないのか、どうも腑に落ちない。(後になってテレビ以外で判った話だが、戦前のロサンゼルス・オリンピックの際の鶴田選手の快挙だということだ。言われてみれば、以前何かの記事で読んだ記憶もある。)

 半ばクレーム、半ばお願いの積りで、新聞のテレビ欄に出ているNHKの電話番号に電話してみたら、「お客様の電話からはつながりません」との趣旨のテープの応答である。先般、ついつい我が家の電話を光回線に変えてしまったのだが、0570からはじまるフリーダイヤルには、光回線電話はつながらないらしい。光回線に変えたメリットは現在のところあまり実感がないのだが、このようなデメリットがあるという説明は全く聞いていなかった。

 今度はNTT東日本に聞いてみようと思って、光回線の説明資料を開いてみたら、電話番号はいろいろ書いてあるが、肝腎の苦情や質問を受ける電話番号の記載がない。これまた腑に落ちない話だ。
 光回線については、先般、公取委から回線使用料について改善命令が出されたという記事を読んだ記憶がある。目下のところ私には関係のない話だと思っているのだが、この分では、いずれとんでもないデメリットが出て来るのではないかということが気懸りである。通信の自由化や民営化も良いが、メニューが多過ぎて素人には判断がむずかしい選択肢が増えることはあまり歓迎できないという気もする。

 民営化で思い出したが、郵便局の民営化と同時に、それまで1枚につき10円だった郵便小為替の手数料が、何と10倍に跳ね上がった。たしかに10円ではコストをカバーできないかも知れないが、10倍はひど過ぎる。しかも定額小為替だから、1000円の場合も100円の場合も、更には50円の場合も、いずれも手数料は100円である。郵便小為替に頼るしかない場合も多いので、それほど大きな実害ではないとは思いつつも、そのたびに腹立たしい思いをしている。

 昨今の政治・経済・社会を見るにつけ、大きな苛立ちの種も多いが、たまたま今日遭遇したような小さな(?)苛立ちの種も尽きない。大袈裟にいえば、目配りやバランスを欠いたこの社会は、いまや崩壊の方向に向かっており、これらはその萌芽ではないかという気すらしないでもない。