2010-01-01から1年間の記事一覧

題詠100首選歌集(その57)

選歌集・その57 014:接(221〜245) (はせがわゆづ) 触れていたのは小指だけとぎれないように祈った小さな接点 (内田かおり)腰掛けて間接話法繰りながら俯く君は秋色のまま (ひいらぎ)接点はないはずなのに感じてる同じ景色が広がる未来 015:ガ…

死者への年金(スペース・マガジン10月号)

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。 [愚想管見] 死者への年金 西中眞二郎 年金を受け取っていた超高齢者が、実はずっと前に死亡していたことが話題になっている。不思議な話ではあるし、役所の「怠慢」…

題詠100首選歌集(その56)

選歌集・その56 001:春(316〜340) (振戸りく) なんとなくたまご色しているような気がする 頬に春風が吹く (夷と鵜) 春風に合わせて唄う また一つ言葉をきみに 教えるために (ゆらり) 春色のスカート乗せて自転車が追い越して行くそして青空 (原…

題詠100首選歌集(その55)

選歌集・その55013:元気(225〜250) (ラヴェンダの風) それぞれにそれぞれの事情抱へゐて元気なふりをする日もありぬ (橘川えり) メールでは「元気ですか?」といつも問ふ福岡の母久しく会はず (ゆらり) この歌をあなたもきっと聞いてるの覚え…

題詠100首選歌集(その54)

酷暑の夏から、一足飛びに初冬となり、やっと秋が来た。快適な秋がいつまで続くのか、何となく不安な気がしないでもない。 選歌集・その54003:公園(278〜302) (短歌日和)夕焼けに包まれている公園はそれぞれ心にひとつずつある (紫月雲) 公園に…

題詠100首選歌集(その53)

<ご存じない方のために、時折書いている注釈> 五十嵐きよみさんという歌人の方が主催しておられるネット短歌の催し(100の題が示され、その順を追ってトラックバックで投稿して行くシステム)に私も参加して6年目になる。まず私の投稿を終えた後、例年…

尖閣列島

尖閣列島が大きな問題になった。 結果論かも知れないが、現在の時点での大まかな感想は以下のようなことだ。 1 我が国の対応は、いかにも拙劣である。今回の「検察当局の判断」は、結果においてはやむを得ないものだったと思う。しかし、検察がこのような政…

題詠100首選歌集(その52)

選歌集・その52 049:袋(104〜129) (湯山昌樹)袋菓子のおまけに付いた野球カード 何度買っても長嶋は出ず (お気楽堂)一週間分のためいき詰め込んだ袋が深夜ぼやきはじめる (振戸りく)袋には入りきらないお悔やみの心を込めてかける水引 (山…

題詠100首選歌集(その51)

猛暑続きで今年は秋が来ないのかと思っていたが、雨とともに急に秋が来た。昨日より10度以上低い気温で、昨日までの暑さが嘘みたいだ。皆様どうかお風邪など召しませんよう・・・。(私も用心致します。) 選歌集・その51 029:利用(156〜181) (…

過去形「し」の用例

古語の過去形「き」の連体形「し」の用例について、少し調べてみた。 前置きとして、なぜそのようなことを調べる気になったのか、いささか煩雑ではあるがまずご説明しておこう。 今年3月2日のこのブログに、「遊人」さんという方からコメントがあった。コ…

題詠100首選歌集(その50)

最終題が、やっと50首に達した。もっともどういうわけか、その前の数題はまだ49首どまりなのだが・・・。 選歌集・その50004:疑(271〜295) (お気楽堂)旅先のさえない店でかき氷食べつつ口にできない疑問 (ともの) 目の届くところにわざと…

題詠100首選歌集(その49)

選歌集・その49 006:サイン(253〜277) (宵月冴音) 今思えばあれこそサインだったのだ 焼き場の空の雲がちぎれる (星桔梗) 返信の思いの丈の片隅に拘っているあなたのサイン (短歌日和)さよならの合図なんだね 飲み干した缶ビールばかりずっと…

題詠100首選歌集(その48)

最後の方が、なかなか第2巡(50首)に届かない。去年の状況を振り返ってみたら、8月6日の選歌集が「その54」で、最終題が50首に達している。因みに、去年の9月14日の選歌集は、「その61」とある。それらと比較すると、今年は大分ペースが遅い…