2010-01-01から1年間の記事一覧

題詠100首「百人一首」(予告編)

題詠100首も後10日になった。この催しに参加して以来、終了後に勝手な百人一首を選定している。今日はその予告編。もっとも、去年の予告編の焼き直しが大半だが・・・。 一昨年までは、多少恰好を付けて「文化の日」に公表するというノルマを自分に課し…

題詠100首選歌集(その66)

選歌集・その66 033:みかん(178〜202) (村上きわみ) 網棚に冬のみかんを香らせて帰るところがあるひとになる (羽根弥生) みかん一つ夏の真中へ開くとき走る少女のごとく光れり 061:奴(127〜151) (ワンコ山田) 死んだって(あんな奴ら…

題詠100首選歌集(その65)

<ご存じない方のために、時折書いている注釈> 五十嵐きよみさんという歌人の方が主催しておられるネット短歌の催し(100の題が示され、その順を追ってトラックバックで投稿して行くシステム)に私も参加して6年目になる。まず私の投稿を終えた後、例年…

里ごころ(スペース・マガジン11月号)

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。実は、数年前にこのブログに書いたものの焼き直しなので、御記憶の方もおられるかも知れない。 なお、明日から3日ばかり留守をするので、その間このブログもお休みさせ…

題詠100首選歌集(その64)

選歌集・その64 052:婆(130〜155) (伊倉ほたる)婆抜きのババを押し付け合うふたり冷めたシチューの薄い皮膚感 (村上きわみ)どこかしら婆娑羅を好む痴れ者に奪われにゆく冬の妹 053:ぽかん(129〜154) (月の魚)きみの声は僕のとこまで…

題詠100首選歌集(その63)

選歌集・その63 031:SF(178〜202) (だったん)SFというイニシャルの人なんて二葉亭四迷しか思い浮かばない (星桔梗)SFってどんな言葉の略だっけぼそり呟く君が愛しい (清次郎)科学的瑕疵探しつつSFを君が読む夏スカビオサ咲く 051:番号(1…

北原白秋顕彰短歌大会

「北原白秋顕彰短歌大会」という短歌の会が、白秋生地の福岡県柳川市の主催で毎年開かれている。今年は第40回にあたり、例年通り11月2日に開かれた。ある御縁で、ここ5年ばかり投稿していたのだが、今年私の作品が入選したので、ご報告しておきたい。 …

第三歌集を刊行しました

このたび第三歌集「古希前後」を、北溟社から刊行しました。中身のご説明は、同書の「はしがき」で代用させて頂きます。 古希前後・はしがき(一部略) 中学生のころから、我流の短歌を続けている。どこにも所属せず、自然に浮かんで来たものを素材とする自…

題詠100首選歌集(その62)

選歌集・その62 036:正義(155〜179) (ほきいぬ)前を行く君のお尻が丸いから正義の味方でなんかいられない (村上きわみ) 少年に正義かすかにきざす日は消毒液の泡をさびしむ 037:奧(152〜176) (さくら♪)陸奥のめぐる季節を生き抜き…

題詠100首選歌集(その61)

最終題がやっと75首まで来た。昨夜は木枯らし1号が吹き、今日は11月下旬の気温とか。秋を通り越して、はやばやと初冬になったようだ。 選歌集・その61 007:決(271〜295) (内田かおり) カーテンを開けて決めたることのあり朝陽鋭くレースを抜ける…

題詠100首選歌集(その60)

選歌集・その60 017.最近(213〜237) (夷と鵜)最近も変わらず元気にやっています慣れない空にそう呟いて (ぱかり) 最近の僕を知らないひとたちが僕を笑っているクラス会 (内田かおり)カラオケで最近の歌歌いつつ白髪の君の赤いエルメス (ひぐら…

題詠100首選歌集(その59)

選歌集・その59 009:菜(259〜283) (みち。)たいせつにされすぎていて死ぬなんて言えない野菜ジュースがにがい (夷と鵜)母ちゃんの野菜きる音はやすぎてなわとびくるう夏休みの朝 (だったん) いちめんの菜の花畑に立つ祖母と幼い私を撮ったのは…

題詠100首選歌集(その58)

選歌集・その58 018:京(207〜231) (闇とBLUE) 恋人の本積み上げられた窓辺にはいつもくもりの東京の空 (小林ちい)あの人が眠りにおちる街と知れば前より好きになった東京 020:まぐれ(207〜231) (勺 禰子)きまぐれな猫といふけどそのと…