2014-01-01から1年間の記事一覧

題詠100首選歌集(その18)

選歌集・その18 023:保(52〜76) (ゆみこ)保元の乱より千年過ぎたれどなお夏の野に響く蜩 (やまさわ藍衣)古欅の木漏れ日ゆれる保育所の五月の窓はひらかれていて (お気楽堂)優しげにお待ちくださいと言ったきり五分聞かせる保留メロディ (藤野唯…

題詠100首選歌集(その17)

選歌集・その17022:関東(51〜75) (月夜野みかん)関東の雨が着くのを待っている あなたを濡らしたものに濡れたい (お気楽堂)音消えし真夜は穢れを知らぬかに関東地方大雪警報 025:がっかり(51〜75) (お気楽堂)そもそもの生まれからしてがっ…

勝負はこれから(スペース・マガジン8月号)

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。 [愚想管見]勝負はこれから 西中眞二郎 集団的自衛権についての閣議決定がなされた。これに反対した人々は、私を含め多かれ少なかれ挫折感や敗北感を抱いているのだろ…

題詠100首選歌集(その16)

選歌集・その16 045:桑(26〜50) (蒼鋏)ヘルシアも黒ウーロンも桑の葉も むかえ討つわが中性脂肪 (お気楽堂)夕凪の海を見下ろし仏桑花ただ粛々とひと日を閉じる (蓮野 唯)「桑原と言えば雷落ちないの」言われた僕にときめき落ちた 047:持(2…

題詠100首選歌集(その15)

選歌集・その15 070:しっとり(1〜25) (紫苑)春の雨しばしふふめばしつとりと鉢土の黒いやまさりゆく (葵の助)しっとりとガトーショコラは佇んであした大人の恋を仕掛ける (はぼき) しっとりとチーズケーキが焼けたから美味しい紅茶淹れてみよう…

題詠100首選歌集(その14)

選歌集・その14 018:援(51〜75) (民谷柚子)鼻声で歌え深夜の応援歌 午前二時から明日のわたしへ (梅田啓子)支援うけ九十歳がひとり住む眠れぬ夜は芋を食むらし (海)沿道の声援全て自分へと変換しつつ駆け抜けて行け 020:央(51〜75) (佐…

大飯原発差止め判決に異議(スペース・マガジン7月号)

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。 [愚想管見] 大飯原発差止め判決に異議 西中眞二郎 5月下旬、大飯原発の再稼働を差し止める福井地裁の判決が出た。明快で歯切れの良い判決であり、快哉を叫んでいる…

題詠100首選歌集(その13)

<ご存じない方のために、時折書いている注釈> 五十嵐きよみさんという歌人の方が主催しておられるネット短歌の催し(年初に100の題が示され、その順を追ってトラックバックで投稿して行くシステム)に私も参加して10年目になる。私の投稿を先行させつ…

題詠100首選歌集(その12)

選歌集・その12 001:咲(98〜122) (蒼鋏)花弁舞う季節をすぎてなおも咲く 日かげのさくら蒼きともしび (はぼき)オジサンの心にだって花は咲くただ本人が気づかないだけ (やまさわ藍衣)咲きなさい、笑いなさいとラジオから命令形のやわらかき…

題詠100首選歌集(その11)

選歌集・その11014:壇(54〜78) (佐藤紀子) 仏壇を置かぬ我が家は本棚に父母の位牌と写真を祀る (梅田啓子)しあわせの残像として今もあり とりどりのはな咲きいし花壇 015:艶(51〜75) (コバライチ*キコ)艶消しの銀の指輪を陽にかざし在…

安保法制懇報告と総理記者会見(スペース・マガジン6月号)

例によって、スペース・マガジン(日立市で刊行されているタウン誌)からの転載である。 [愚想管見] 安保法制懇報告と総理記者会見 西中眞二郎 5月15日、いわゆる安保法制懇の報告書が出され、同日安倍総理により政府の「基本的方向性」が示された。昭…

題詠100首選歌集(その10)

選歌集・その10 002:飲(90〜114) (廣珍堂)とんこつのスープをぐひと飲む真昼背中から来る風に乗つかる (佐藤紀子)氷砂糖たつぷり入れて仕込みたる苺酒とろり今が飲み頃 (はぼき)飲み込んだ言葉が胸につかえてるやはりあの時言えばよかった 00…