2015-01-01から1年間の記事一覧

題詠100首選歌集(その15)

選歌集・その15 002:急(90〜114) (美亜)急流に呑み込まれてく花筏次に会う日を約束しない (くゆり)急階段登り始めた足取りのおぼつかなさに君思い出す 040:清(26〜50) (湯山昌樹)富士山の伏流水の清らなるに育まれたる水かけ菜あり (Ru…

題詠100首選歌集(その14)

<ご存じない方のために、時折書いている注釈> 五十嵐きよみさんという歌人の方が主催しておられるネット短歌の催し(年初に100の題が示され、その順を追ってトラックバックで投稿して行くシステム)に私も参加して11年目になる。私の投稿を先行させつ…

週刊文春の広告の怪(?)

一昨日(10日)の朝日新聞の広告を見ていたら、週刊文春の広告に、どうも見覚えがある。興味本位で何日分かの広告を眺め直してみたら、5日の水曜日の広告とほとんど同じである。あまり経験のないことなので、いささか気になった。 夏の特大号(8月13・…

題詠100首選歌集(その13)

選歌集・その13012・おろか(54〜78) (円)おろかものばかりではないさびしさに空を仰げばただしく青だ (ほし)経文の「あはれといふもおろかなり」胸に響きて仕事に戻る (コバライチ*キコ)おろかなる戦争なりしと朝ドラのヒロインの言ふ口尖らせ…

対案が必要とは限らない

安保法制を巡って、「責任野党なら対案を出せ」という類の意見があるようだし、安倍総理にもそのような趣旨の発言があるようだ。しかし、これはおかしいと思う。 何かをやらなければならないということがはっきりしている場合であれば、原案に反対なら対案を…

題詠100首選歌集(その12)

選歌集・その12006:婦(69〜94) (ゆみこ)農婦らの絣の背にも夕陽射し待ち構えたり皆既月食 (滝音)労働が苦手でなりたい主婦だけどだったらムリだと皆に言われる (只野ハル)婦人誌の表紙を飾る女優たち知らぬ顔増え買うを躊躇う 007:度(64〜8…

憲法遵守は責任放棄ではない

朝日新聞の「声」に時折投稿している。ここ10数年の間に20回近く掲載されて、その都度このブログにも転載している。このところちょっと御無沙汰しており、先日久々に投稿したのだが、まだ反応がないところを見ると、今回は掲載にならないようだ。 そんな…

題詠100首選歌集(その11)

<ご存じない方のために、時折書いている注釈> 五十嵐きよみさんという歌人の方が主催しておられるネット短歌の催し(年初に100の題が示され、その順を追ってトラックバックで投稿して行くシステム)に私も参加して11年目になる。私の投稿を先行させつ…

題詠100首選歌集(その10)

選歌集・その10 021:小(33〜58) (文乃)小石やら紙やら錆びた金具やら出てくる出てくる子らのポケット (五十嵐きよみ)本棚の奥の一冊手に取れば黄ばんだ文庫の文字の小ささ (梅田啓子)ごちそうをお仏壇へと供えたり小さきわれのひとひの仕事 (…

題詠100首選歌集(その9)

選歌集・その9008・ジャム(62〜86) (円)戦争をテレビが告げる傍らでジャムは真っ赤に煮詰まってゆく (蓮野 唯)ジャムを塗る時間を惜しく思うほど眺め続けた息子も8歳 (新野みどり)くさはらで摘んだいちごのジャムの瓶抱きしめて行け幼き少女 (…

題詠100首選歌集(その8)

選歌集・その8017:画面(37〜61) (諏訪淑美)3Dの画面恐ろしコロラドの濁流我を飲み込む気配 (佐藤紀子)五歳児の見せてくれたる祖母の絵は髪が画面をはみだしてをり 019:靴(34〜58) (原田 町)幅広の靴に慣れたるわが足よ今日はパンプス履…

憲法私見

今日は憲法記念日。いろいろきな臭い動きもあり、一文書こうかと思ったが、年のせいかまとまったものを書こうという意欲も湧かない。それでも何か触れておきたいと思い、ちょうど10年前のこのブログに書いた小文を再掲することにした。 <憲法についての私…